感想

2021映画

【ブルキナファソ映画】『Wend Kuuni』ガストン・カボーレ(31歳・国立映画センター館長)、僕も映画が作りたい

Twitterのスペース機能を使ってブルキナファソのワガドゥグ全アフリカ映画祭(FESPACO)トークをすることになった。ブルキナファソに最近まで住んでいた方をお招きしてガッツリ3時間ぐらいトークをすることになったので、イドリッサ・ウエドラオゴ以外のブルキナファソ映画を探していたら『Wend Kuuni』を観ることに成功した。

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『MINAMATA-ミナマタ-』表層部をなぞる水俣病、演劇だったらまだよかった?

第70回ベルリン国際映画祭に出品されて話題となったジョニー・デップ主演の水俣病を扱った映画『MINAMATAーミナマター』が日本でも公開された。水俣病といえば、四大公害病の一つとして学校で習ったこともあるでしょう。土本典昭のドキュメンタリーに触れると解像度が少し上がり、長期に渡る闘いによって被害者たちの間にも分断が生まれてしまっていることに気づかされる。さて、そんな複雑な状況を海外からの目線で果たして上手く描けるのだろうか?不安を抱えながら映画館に行きました。

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『水俣一揆-一生を問う人々-』のれんに腕押しなら、のれんを掴め!

9月、10月は個人的に不安しかない作品が2本控えている。1本目はフランスのアルチュール・アラリ監督が小野田寛郎を描いた伝記超大作『ONODA 一万夜を越えて』。もう一本はこれまた海外の監督アンドルー・レヴィタスが水俣病を扱った『MINAMATA―ミナマタ―』である。どちらもセンシティブなテーマであり、日本の監督ですら上手く事象を捉えつつ映画の文法に翻訳できるか難しいところがある。特に『MINAMATA―ミナマタ―』は時代考証の一部を真田広之が行ったと耳にしているだけに余計に心配だ。そんな本作を観る前に予習しようと土本典昭監督作『水俣一揆-一生を問う人々-』を観ました。

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【アニメシリーズ】『かげきしょうじょ!!』2020年代の縦社会魅せてあげます

今、Amazon Prime Videoで歌劇をテーマにしたアニメが配信されている。その名は『かげきしょうじょ!!』。斉木久美子の同名漫画のアニメ化である。これが、よくある青春キラキラもの、縦社会もののあるあるを次々と覆していく凄まじい作品であった。今や、コンプライアンスが重要視され、今まで習慣として存在していたものがパワハラ、セクハラとして認定される中でいかにして建設的な「高み」を目指す世界を描いていくのか。また、2010年代後半から『ハル×キヨ』、『羽柴くんは152センチ』などといった高身長をコンプレックスとして描く漫画が増えていった一方で、「アイドルマスター」の諸星きらりや「ウマ娘」のヒシアケボノ、「呪術廻戦」の高田ちゃんといった高身長を個性として捉えたキャラクターが次々と生まれていった。現実社会でも、2010年代後半からyoutubeやインスタグラムで高身長を売りにしたり高身長あるある動画でコンプレックスを共有する動きが出てきた。つまり日本において高身長女子の表象に多様性が生まれてくる中で、このアニメが制作されたことは非常に重要な意味を持っているのだ。今回、第11話まで観たのですが、毎回面白いギミックが凝らされていたので語っていきます。

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【Netflix】『漁村の片隅で』カメルーンのフィッシャーマンはなぜ娘から勉強を取り上げるのか?

#ダダーン

皆さん、カメルーンをご存知だろうか?アフリカ西南部にある国で、ニシローランドゴリラの生息地で有名な世界遺産ジャー動物保護区がある場所だ。なんと、Netflixではそんなカメルーンの映画が観られるのです。タイトルは『漁村の片隅で』。カメルーンの貧しい漁村で暮らす女の子が父親の監視を回避しつつ学校に勉強をするエクストリーム登校映画だ。こんな作品が観られるのはNetflixだけ。