フルートベール駅で(2013)
FRUITVALE STATION(2013)
監督:ライアン・クーグラー
出演:マイケル・B・ジョーダン、
オクタヴィア・スペンサーetc
評価:75点
映画仲間の間で「ムーンライト」論争が勃発している。今年は、「ラ・ラ・ランド
」を皮切りに激しい論争を生む作品が早い段階から出現している。「ムーンライト」もその一つで、賛否が極端に分かれている。そんな中、誰かが「フルートベール駅」の方が良かったと言っているのを耳にした。丁度Netflixにあったので観てみたぞ!
「フルートベール駅で」あらすじ
2009年の元旦に、一人の黒人青年が警察の手によって殺された。貧しいながらも人生をまっとうに生きようとしていたその青年オスカー・グラントは何故殺されたのか。彼の最後の一日が明らかにされる…伝わる「抑圧」
「ムーンライト」は3部構成を下手に演出してしまったが為、差別や貧困から抑圧された心の苦しみや葛藤に重みがなく、心に響かなかった。その点、この「フルートベール駅で」は非常に上手い。貧困や実際に起きた悲劇を映画化する際、感情的になり過ぎる傾向がある。本作は、しっかりと感情に強弱をつけ、アクセルとブレーキを巧みに使い分けることで、主人公であるオスカー・グラントの葛藤が良く描けている。
オスカー・グラントには、愛する家族がいる。娘もいる。友だちもいる。だから差別や貧困に対しても明るくいられる。しかし、勤務先がクビになっても、周りの絆があるからこそ前へ一歩進める。
この世界の片隅でひっそりと暮らす黒人青年が、横暴な警察の手によって殺される。
本作はたった85分と短い中、しかもオスカー・グラントとはほんの1時間ぐらいしか知り合っていないのにどうして涙が出てくるのだろうか。それは、一人の黒人青年が背負う理不尽がずっしりと積もっていくからだろう。あまりに息苦しい彼の生活。しかし、それでも笑顔を忘れないようにして生きようとする「彼」。だからこそ、最期の一撃と言わんばかりの理不尽に怒りと哀しみが芽生える。
「ムーンライト」も「フルートベール駅で」も非常に個人的な、小さな小さな話。しかし、どちらが心を掴むだろうか。私は言うまでもなく、「フルートベール駅で」を取るだろう。













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