【EUフィルムデーズ2026】『夏の夜の人々』中上健次のような手触り

夏の夜の人々(1948)
Ihmiset suviyössä

監督:バレンティン・バーラ
出演:エイラ・ペコネン、マルッティ・カタイストetc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

EUフィルムデーズ2026が開幕したので国立映画アーカイブでフィンランドのクラシック映画『夏の夜の人々』を観てきた。

『夏の夜の人々』あらすじ

ノーベル文学賞作家であるフランス・エーミル・シッランパーの同名小説が原作。フィンランド最大のスタジオであったスオミ・フィルムで製作され、監督はフィンランドを代表する巨匠として後世にも深く影響を与えているヴァレンティン・ヴァーラ。とある田舎町での夏の一夜に起こった、生と死、愛と憎しみの入り混じる複数の出来事が、白夜の薄明りの中に美しく浮かび上がる森と湖を叙景詩のように切り取った。

EUフィルムデーズより引用

中上健次のような手触り

白黒映画で分かりにくいが、白夜の中で物語が展開するらしく『夏の夜の人々』といったタイトルになっている。幻想的な湖の姿が映し出される。フィンランドに限らず、北欧の湖は寒暖差によって、水中から幻想的な煙が出ている。それを魅力的に捉えている。映画は牧歌的な田舎の生活を描いているのだが、ガン決まった眼差しで暴力的な振る舞いを魅せる男、生と死の空気が漂っていく。60分程度の尺でありながら行間があり、文学チックなので飲み込みづらさがあるのだが、この空気感既視感あると思ったら中上健次であった。彼の小説は、田舎を舞台に集団、噂や物語の伝播、突発的な暴力と自然の絡みが特徴的なのだが、それに近いものが本作にありました。