冷血(1967)
In Cold Blood(1967)
監督:リチャード・ブルックス
出演:ロバート・ブレイク,
スコット・ウィルソンetc
評価:60点
TSUTAYAで最近フィーチャー
されているトルーマン・カポーティー
のノンフィクション小説の映画。
映画好きの間でも最近再評価されて
オススメする人が増えているので、
この際観てみました。
「冷血」あらすじ
1959年11月16日,一家惨殺事件が発生。何一つ近隣住民とのもめ事なき家族は
何故殺害されたのか?
加害者二人の生き様から
不可解な事件が紐解かれていく…
エピソードの抽出しっぱなし
原作は2度挫折しており、本作執筆中カポーティに
フォーカスをあてた「カポーティ」も
カポーティーを演じた
フィリップ・シーモア・ホフマンの
演技こそ素晴らしいが、
あまりノレなかった為不安でした。
しかし、これが
なかなか面白い作品でした。
シネフィルが絶賛しまくっているのだが、
ストーリー自体は凡庸で冗長。
原作の面白いエピソードを
並べただけで、シーンとシーンの
リエゾン(繋がり)が甘い。犯罪心理を扱うのなら、
時系列をかき乱しまくるのも手だが、
シャッフルの仕方が中途半端。
やはり、小説の映画化と唄っている以上は、
「映画」らしさが必要。2時間、長くても
3時間という短い時間にいかに
原作の良さを入れ込み、
且つ映画的見せ所を
演出するかにかかっている。
本作の場合、残念ながら
ストーリーテリングは
満足いくものではなかったが、
映像的魅せ所は非常に多く
十分満足いく作品だった。
オープニングシークエンスにはじまり、
白黒の明暗、コントラストに
拘ったシャープな映像に
引き込まれる。
そして観客を引き込んだ上で、
エピソードに重みを持たせる。
例えば
逃避行という、
過去のしがらみに対する
後ろめたさと自由の清々しさを
両立させる画面作りは
ロードムービーとして完璧な爽快感がある。
また、強盗シーンの明暗。
銃の魅せ方はサスペンスとして
ハラハラドキドキさせられる。
そして、ラストシーンの重々しさは
観客の目に焼きつく荘厳さがある。
故に本作はストーリーという
「線」で観ると微妙だが、
エピソードという「点」で観ると素晴らしい作品です。
なので面白いが惜しい!作品でした。
コメントを残す