CAMERAPERSON(2016)
監督:カーステン・ジョンソン
評価:0点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
久しぶりにMUBIを観たら、『CAMERAPERSON』が来ていた。本作は国際的に評価が高い一方で、日本のシネフィルの間では酷評されている作品である。実際に観てみたら、オールタイムワーストレベルで酷い作品であった。
『CAMERAPERSON』概要
Exposing her role behind the camera, Kirsten Johnson reaches into the vast trove of footage she has shot over decades around the world. What emerges is a visually bold memoir and a revelatory interrogation of the power of the camera.
訳:カースティン・ジョンソンは、数十年にわたり世界中で撮影してきた膨大な映像の山に分け入り、カメラの向こう側にいる自分の役割をさらけ出した。そこから見えてくるのは、視覚的に大胆な回顧録であり、カメラの力に対する啓示的な問いかけである。
あまったフッテージを並べて映画ができると思うでなかれ
25年間、映像作家として活動してきたカーステン・ジョンソンが、余った断片を繋いで一本の作品にしたというのだが、これがあまりにも雑で、ブレーンストーミングした結果のホワイトボードを提示しても映画にならないとはこういうことだと感じる。まだ、バキバキに決まったショットがあればよいものも、精々家から雪の塊が落下する程度しかなく、行き当たりばったりの取材の手ぶれが激しいカメラを魅せられても虚無しか感じない。また、これは被写体に対しても随分と失礼だと思う。例えば、左目が見えない少年にインタビューする場面がある。それだけで一つの作品ができるのだが、プロレスの舞台裏やアフリカの景色をミキサー機に入れて混ぜてしまっている。まさしく、映像の闇鍋といった感じで、せっかくの上質な被写体素材も醜悪な腐敗臭を放つものとなってしまっている。巷でよく酷評されるような作品なんかよりも最悪な一本だったといえよう。
※IMDbより画像引用