ロス(2000)
Los
監督:ジェイムズ・ベニング
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
おもむろにジェイムズ・ベニング作品を観たくなったので、傑作と名高い『ロス』を観た。『RR』同様、ジェイムズ・ベニングはロングショットによる動く写真集を撮っている訳だが、インスタ映えを狙う人々とは比べものにならないぐらいの迫力を突きつけるものとなっていた。
『ロス』概要
Los Angeles is depicted in 35 stationary shots, each 2 1/2 minutes long, in this non-narrative film.
訳:ロサンゼルスを35枚の静止画で、それぞれ2分半の長さで描いた非物語的作品。
ジェイムズ・ベニングのロングショット動く写真集
ロサンゼルスの雄大な川を映す。かと思えば、2層構造の道路を、中央に集中線を引き、各層が見える状態で映す。トラックは忙しなく動くが、道路ではない場所では、まるで喧嘩をしているような動きを見せる。サッカー場では、小さな点となった人々が群れを形成する。陰りひとつない晴天で映し出される風景は、20年前のノスタルジックな質感を持ちながら観る者を圧倒する。中でも、道路を横から映しているショットが凄まじい。車が横移動する中、奥から飛行機が超低空飛行で突っ込んでくる。決定的瞬間を捉える快感に満ちたショットとなっており感動した。
一方、列車に特化した『RR』と比べるとこの動く写真集に散漫さも少し感じてしまった。無論、『RR』における執拗な列車へのこだわりが凄すぎたのもあるが。
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※MUBIより画像引用