【ゴダール特集】『万事快調』ウェス・アンダーソンのルーツか?

万事快調(1972)
TOUT VA BIEN

監督:ジャン=リュック・ゴダール(ハンス・リュカス)、ジャン=ピエール・ゴラン
出演:ジェーン・フォンダ、イヴ・モンタン、ヴィットリオ・カプリオリetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ジガ・ヴェルトフ集団時代のゴダールを追っている。『ジェーンへの手紙』を観た時、どうやら『万事快調』に触れないといけないような気がしたのでDVD-BOXを購入して鑑賞してみた。驚いたことにウェス・アンダーソンのルーツらしき構図とエンカウントしたのであった。

『万事快調』あらすじ

ヌーヴェルヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダールと、政治映画作家でゴダールにとって毛沢東主義の師でもあるジャン=ピエール・ゴランが、映画形式において新しい政治性を追求した革新的な政治映画。主役には政治的戦略として国際的なスターを起用し、「恐怖の報酬」「Z」などのイヴ・モンタンと、「バーバレラ」「ジュリア」のジェーン・フォンダ。共演は「地下鉄のザジ」のヴィットリオ・カプリオーリ、当時のゴダール夫人だが本作の後まもなく別れたアンヌ・ヴィアゼムスキーほか。ゴーモンとパテという大映画会社の出資で製作した本作でゴダールは久々に劇場用映画に復帰したが、この映画で出会った新しいパートナーのアンヌ=マリー・ミエヴィルとともに再び映画を離れ、ビデオに新しい表現領域を模索、その後79年の「勝手に逃げろ/人生」まで劇場用映画を撮っていない。

※映画.comより引用

ウェス・アンダーソンのルーツか?

ヌーヴェルヴァーグは、従来のセットによる撮影を批判し、ロケで映画を撮る運動だったように思う。だが、本作を観るとまるでラース・フォン・トリアーがドグマ95を打ち立てるも、すぐにやめたようなイメージを彷彿とさせる。つまり、『万事快調』がゴリゴリのセット映画なのである。取材に来るも、ストライキに巻き込まれてオフィスに閉じ込められた者の話。オフィスには様々な階層の人がおり、その対立を映画的運動で表現する。その運動の手法として、ドールハウスのように壁をぶった切った空間を横移動させながら描くのである。壁は、漫画におけるフレームのような機能を果たしている。そして、階層という箱を破壊する形でストライキ像を捉えようとしているのだ。この擬似スプリットスクリーンの手法はウェス・アンダーソンが頻繁に使っている。恐らく、彼は『万事快調』に影響を受けているのだろうと感じたのであった。