【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『DESERET』写真を並べただけってTOEICかい?

ディザレット(1995)
DESERET

監督:ジェームズ・ベニング

評価:5点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『死ぬまでに観たい映画1001本』は実験映画も手堅く網羅されており、普通に映画観ているだけではアクセスすることのない監督作と出会えるチャンスがある。固定ショットと長回しで風景を撮り、そこから歴史の層を浮き彫りにさせ、観客の「観る」行為を批判してみせる演出で有名なジェームズ・ベニングの代表作『DESERET』を観た。

『DESERET』概要


Landscape shots of Utah with narration chronicling its history by way of The New York Times excerpts from the 1850s to the 1990s.
訳:1850年代から1990年代までのニューヨークタイムズの抜粋の方法でその歴史を慢性化させたナレーションとユタの風景ショット。
IMDb.comより引用

写真を並べただけってTOEICかい?

この手の実験映画はやったもん勝ちなところがある。動画の羅列から歴史を紐解く本作は英検やTOEICのリスニング問題かと思わせる画と退屈で淡々とした会話で80分保たせる拷問のような作品だ。その淡々とした語りと観光案内のような画を通じて、観客の単に美しい風景を享受する様を批判しているように見えるのだが、あまりに芸がなさすぎる。それこそ、『ラ・ジュテ』は写真に淡々としたナレーションをつけただけの作品だが、未来から見た過去としての像として写真を用いることで架空の歴史の重みを映像に与えることに成功していた。またアヤ・コレツキー『30歳のとき、世界を廻った』は世界一周した頃の映像と詩の朗読を通じて、言葉や社会と自己を擦り合わせていく心理的過程が投影されていた。技術的に二重三重に淡々とした画と音の関係性を追求したのに対して、本作は監督がアイデアにあぐらをかいているようにしか見えず、画的つまらなさを観客に押し付けている鼻持ちならない作品であった。

この臭気を前にユタ州の歴史が云々語られてもあまり興味が持てません。

一応、何が語られているのか説明するならば、開拓者がユタ州に流れ着き繁栄を遂げるのだが、先住民から復讐され泥沼の戦いとなった末にユタ州として独立する。そしてモルモン教の共同体として繁栄した一方で、現代では核実験場に使われたりしているとのこと。まあ、英語のテストっぽい内容ですよね。

※画像はMUBIより引用

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