【アマプラ】『サディスト』野球観戦に行こうとしただけなのに

サディスト(1962)
THE SADIST

監督:ジェームズ・ランディス
出演:アーチ・ホール・Jr、ヘレン・ハーヴェイ、マリリン・マニング、リチャード・アルデン、ドン・ラッセルetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

最近、Amazon Prime Videoで謎のB級映画、マイナー作品を掘るのにハマっている。印象的なサムネイルの作品『サディスト』があったので昼休みに観たのだが、これがめちゃくちゃ怖い映画であった。

『サディスト』あらすじ

ロスからほど遠い、とある小さな町のハイスクールの3人の教師、物理のエド(リチャード・アルデン)歴史のカール(ドン・ラッセル)、若く美しい女教師ドリス(ヘレン・ハーベイ)は、野球を観に行く途中人通りのない路上で車が故障した。車の影からチャーリー(アーチ・ホール・ジュニア)と彼のガールフレンドのジュディ(マリリン・マンニング)がピストルを突きつけたまま近づいて来た。新聞に出ていた12人殺害の殺人鬼だ。抵抗すべき何らの手段もなく、オリバァは傷つけられて金を奪われ、ドリスも辱めを受けた。

映画.comより引用

野球観戦に行こうとしただけなのに

野球観戦をしにドライブをする学校の先生たち。しかし、途中でガソリンが尽きてしまい、寂れた自動車工場にやってくる。「御免ください」と叫んでも、気配がしない。カメラは引くと。雑然としたデスク。そして切られた電話線。不吉な予感を抱かせる。やがてそこに人組の男女が現れる。明らかに会話が通じないタイプだと目が物語る。二人に見つめられたら、画面越しの観客ですら動けなくなるだろう。二人はコンプレックスを持っており、相手がインテリだと分かると「バカにしているだろ」とひたすら脅してくる。ホラーやスリラーによく出てくる超人的な悪役ではない。小者であるがねちっこく詰めてくる。反撃のチャンスもあるのだが、あと一歩のところで上手くいかなかったり、先生陣も立ち回りが下手くそなせいで、嫌な緊迫感が持続するのだ。そこから、やがて膠着状態が解除され、激しい攻防へと発展する。ここで自動車工場であることに意味が帯びてくる。廃車の山が障害物となり、心理戦にもつれ込むのである。互いに潤沢ではない武器を使って、いかに相手を出し抜き倒していくのか、ヒット&アウェイを繰り返す。この映画の結末は冒頭で語られている。だが、どのように着地するのかといった好奇心を最後まで引っ張っていく作品となっており、隠れた名作なのではないかと感じたのであった。

※IMDbより画像引用