【微ネタバレ】『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』この映画のITリテラシーはどうなっているだ?

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023)
Mission: Impossible – Dead Reckoning – Part One

監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、ヴァネッサ・カービーetc

評価:40点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

トム・クルーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開された。ワイスピもスパイダーバースもそうだが2023年は、ハリウッドがもはや一本の映画にまとめられなくなった年といえよう。2010年代後半頃から、ハリウッド大作の上映時間が2時間半以上になる傾向が強まってきた。しかし、ついに3時間でもまとめられなくなってきて分割する形を取るようになった。正直、内容の割に分割する必要があるのか?引き算ができていないだけなのではと思うのだが、映画業界の様々な技術者の職を確保するための公共福祉事業みたいになっているのかなとも感じており難しいものがある。作品のクオリティを取るか、労働環境を取るか。今は、質の向上と労働環境改善を図るための過渡期なのだろう。ということでミッション:インポッシブル最新作にしてPART1である本作を観てきた。そこまでいい作品だとは思えなかった。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』あらすじ

トム・クルーズの代名詞で、世界的人気を誇るスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第7作。シリーズ初の2部作となり、イーサン・ハントの過去から現在までの旅路の果てに待ち受ける運命を描く。タイトルの「デッドレコニング(Dead Reckoning)」は「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。

IMFのエージェント、イーサン・ハントに、新たなミッションが課される。それは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものだった。しかし、そんなイーサンに、IMF所属以前の彼の過去を知るある男が迫り、世界各地で命を懸けた攻防を繰り広げることになる。今回のミッションはいかなる犠牲を払ってでも達成せねばならず、イーサンは仲間のためにも決断を迫られることになる。

シリーズを通して数々の命懸けのスタントをこなしてきたトム・クルーズは、今作ではノルウェーの山々に囲まれた断崖絶壁からバイクで空中にダイブするアクションシーンを披露。共演はサイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ビング・レイムス、バネッサ・カービーらに加え、第1作に登場したユージーン・キットリッジ役のヘンリー・ツェーニーもカムバック。「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェル、人気刑事ドラマ「NYPDブルー」のイーサイ・モラレス、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのポム・クレメンティエフらが新たに参加した。監督・脚本は「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」以降のシリーズを手がけているクリストファー・マッカリー。

映画.comより引用

この映画のITリテラシーはどうなっているだ?

本作はAIが悪いことするので、鍵を集めて阻止しようとする。90分ぐらいで終わりそうな内容である。しかし、実に周りくどい方法でミッションを行おうとして拗らせていってしまう。その根底には、敵味方のITリテラシーの低さがある。AIがネットワークに侵入してデータの書き換えが行われるから、アナログこそ正義だと、大勢の従業員がタイプライター、紙で仕事をしていたり、オープンリールを推しているところに唖然とする。またイーサン・ハントも、黄色い車の機能を使いこなせなかったりとITスキルが低下しており失望した。確かに、日本政府のようにITリテラシーが低すぎて拗らせているケースがあるが、映画の中でのヒーロー/ヴィランはテクノロジーを使いこなして欲しいし、そうでなければ狂気に突っ走って欲しいのだが、ひたすら絶妙にITセンスがダサすぎて悲しくなった。

また、映画もアップが多く、全身を使ったアクションを魅せきれていないのが致命的となっている。もちろん、空港での泥棒を捕まえるイーサン・ハント、彼を捕まえようとする組織、そして爆弾解除班をクロスさせる群れアクションや、宙吊り状態となった列車の車両を一つごとに別のアトラクションに見立てて登っていくアクションは面白いものの、そこにたどり着くまでが冗長でポンコツで頭を抱えた。雰囲気としては『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』が終盤40分のスペクタクルまで退屈な状態に近い作品なのかなと感じた。

ミッション:インポッシブル関連記事

【ネタバレ】『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』トム・クルーズかく語りき《カメラを止めるな!》
“Ç”ミッション:インポww「MISSION IMPOSSIBLE:ROGUE NATION」

※映画.comより画像引用