ペッツ・アウトロー(2022)
The Pez Outlaw
監督:エイミー・バンドリアン・ストーケル、ブライアン・ストーケル
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
昨年、参考にしている映画アカウントの投稿でペッツが1990年代に転売ヤーと闘ったドキュメンタリーの存在を知った。それが『ペッツ・アウトロー』だ。なんと、いつの間にか日本のNetflixにて配信されていたので観てみた。これが非常に面白かった。
『ペッツ・アウトロー』あらすじ
珍しいペッツのディスペンサーを米国に持ち込むことを思いついた男。その行動が収集家を熱狂させ、ペッツ社の怒りを買うことになる。ペッツをめぐる騒動に着目した陽気なドキュメンタリー。
90年代、ペッツは転売ヤーに狙われていた
オーストリアで生まれたラムネ菓子ペッツは、唯一無二の可愛らしい容れ物が特徴的である。ハローキティやダースベイダーなどといったキャラクターの頭がついたケース(ペッツ・ディスペンサー)はコレクターアイテムとして親しまれている。そんなペッツ・ディスペンサーに目をつけた男がいた。彼の名はスティーヴ・グルーだ。アメリカの田舎町でブルーカラーとして働くスティーヴには趣味があった。それは「転売」である。シリアルを買い、購入特典を集めていく。そしてフリーマーケットで売り捌くことで金を稼いでおり、生き甲斐に繋がっていた。そんなある日、フリーマーケット会場で、何やら面白い物を売っている人に気づく。彼女が売っていたのがペッツ・ディスペンサーだった。情報収集する中で、オーストリアの工場に潜入するスティーヴ。
1990年代当時、アメリカ支社とオーストリア本部とでは対立が生じていた。オーストリア支本部で作られたペッツ・ディスペンサーはアメリカに流通しない関係となっていた。そこに目をつけたスティーヴは工場から大量にペッツ・ディスペンサーを奪い、アメリカに持ち込むことで商売を始めたのだ。由々しき事態に対応を迫られるペッツ。だが、金も時間もかかる裁判は避けたい。そこでペッツとスティーヴの頭脳比べが始まった。
転売は日本でも度々問題となっており、ゲームのハード機が狙われると、ソフトウェアの売上の下落に繋がり市場縮小を招く危険性もある。また、転売ヤーが増えすぎた結果、地獄のような状況になっているとも聞く。しかし、この映画を観ると、ペッツサイドもスティーヴもゆるーく闘っているように見えるのが意外であった。軽妙な語り口でビジネス戦略について語られていくので、『AIR/エア』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』が好きな人にオススメな一本である。
※IMDbより画像引用