『壊れた太陽の心』扉を開けると旅の途中だった

壊れた太陽の心(2022)
原題:破碎太阳之心
英題:A SHORT STORY

監督:ビー・ガン

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『凱里ブルース』や『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』で知られるビー・ガンの短編映画を観た。耽美的な世界観を作りだす彼は、短編でもその才能を発揮していた。

『壊れた太陽の心』あらすじ

Once upon a time, there was a strange black cat in a long trenchcoat with no friends, no home, and no purpose in life. However, one day, an encounter with a scarecrow sets the black cat off on a mysterious quest to answer a single question: What is the most precious thing in the world?
訳:むかしむかし、あるところに、長いトレンチコートを着た、友達もいない、家もない、生きる目的もない、不思議な黒い猫がいました。しかしある日、かかしとの出会いをきっかけに、黒猫はたったひとつの問いに答えるために、不思議な旅に出ることになります: 世界でいちばん大切なものは何だろう?

※MUBIより引用

扉を開けると旅の途中だった

黒猫という設定の黒ずくめの存在は、町を彷徨う。やがて廃墟にたどり着く。するとガラスが割れる。ロボットが起動し、ガシャポンの玉を渡す。黒猫は部屋へとたどり着くが、突然扉が開く。その先には線路があり、旅の途中であることを示唆する。ビー・ガンの浮遊感溢れる演出は健在で、相変わらず夢の世界に迷い込んだような魅惑の廃墟を映し出している。そして効果的にネオン等の光を挿入していく。終盤には、帽子がふわふわ漂いながら道を進んでいく描写があるのだが、これがまた美しかった。15分と短い時間ながらも私の心を鷲掴みにしたのであった。

※MUBIより画像引用