『貝殻と僧侶』ジェルメーヌ・デュラックの前衛サイレント映画

貝殻と僧侶(1927)
LA COQUILLE ET LA CLERGYMAN

監督:ジェルメーヌ・デュラック
出演:アリクス・アランetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

以前、オススメされたサイレント映画『貝殻と僧侶』をようやく観ることができた。これが、噂以上にビザールな作品であった。

『貝殻と僧侶』あらすじ

Obsessed with a general’s woman, a clergyman has strange visions of death and lust, struggling against his own eroticism and his unspeakable desires. With the help of a large oyster shell, he pours a black liquid into a bottle which he then breaks….
訳:将軍の女に執着する聖職者は、死と欲望の奇妙なビジョンを見て、自分のエロティシズムや言いようのない欲望と闘う。彼は大きな牡蠣の殻を使って瓶に黒い液体を注ぎ、それを割ってしまう……。

MUBIより引用

ジェルメーヌ・デュラックの前衛サイレント映画

男が大きな貝殻に乗せた液体をフラスコに注ぐ。そして落として割る。破損したガラスの山が築かれるが、やがてそれは僧侶の手によって止められる。男は町へと繰り出し、ハイハイしながら爆走する。そして顔が割れていく。シュールなサイレント映画といえば『アンダルシアの犬』が有名だが、本作も負けてはいない。デヴィッド・リンチの悪夢的な世界観は1920年代にも存在しており、独特な構図の中でどうかした物語が紡がれていくのだ。時折、言語化し難い異様な世界に出会うことがある。そういう時に、映像作品と出会ったと感じるのだが、まさしく本作はそれに該当する一本であった。

※MUBIより画像引用