【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『The Chant of Jimmie Blacksmith』血みどろ豪州西部劇

The Chant of Jimmie Blacksmith(1978)

監督:フレッド・スケピシ
出演:フレディ・レイノルズ、アンジェラ・パンチ=マグレガー、トミー・ルイス、レイ・バレット、ジャック・トンプソン、スティーヴ・ドッズ、ピーター・キャロル、ルース・クラックネル、ドン・クロスビー、エリザベス・アレクサンダーetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のオーストラリア映画『The Chant of Jimmie Blacksmith』を観た。日本未公開映画だけに、どこで観れば良いのかと思っていたらVimeoでレンタル可能であった。サブスク、ネットレンタルが主流になった今、こういうケースで鑑賞できる作品が増えてきたので攻略がしやすくなっている。いい時代だ。

『The Chant of Jimmie Blacksmith』あらすじ

After suffering racist abuse throughout his life – which intensifies following his marriage to a white woman – a half-Aboriginal farmhand finds himself driven to murder.
訳:白人女性との結婚後、人種差別的な虐待を受け続けてきたアボリジニの農夫は、殺人にまで発展する。

IMDbより引用

血みどろ豪州西部劇

オーストラリア西部劇はマカロニウエスタンと違って、じっとりとした陰惨さを持っている気がする。本作は3つの異なる質感で描かれている。最初は、オーストラリア先住民と白人との間でアイデンティティが揺らぐ男のヒューマンドラマが展開されていく。しかし、中盤からは凄惨な西部劇へと発展してくる。ドキュメンタリータッチで、家庭が荒らされる場面。そこから銃を使った一触即発の空間が広がってくる。かと思えば、終盤は文字が刻まれた巨石を背に心象世界的場面が広がる。オーストラリア先住民映画ならロルフ・デ・ヒーア映画が「死ぬまでに観たい映画1001本」に選出されてもおかしくないのではとも思ったが、この映画の多様な質感から紡がれる先住民と白人との揺らぎを観ると、確かに掲載に値する作品だったなと思う。そして、日本未紹介なのが意外な作品であった。

※IMDbより画像引用

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