『サオリ ZAHORÍ』学校も家も退屈さ、なら荒野へ

サオリ(2021)
ZAHORÍ

監督:マリ・アレッサンドリーニ
出演:Lara Tortosa,Santos Curapil,Cirilo Wesley etc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

なら国際映画祭2022で上映されたアルゼンチン映画『サオリ』が面白いという話を聞いたので入手して観ました。

『サオリ』あらすじ

パタゴニアの大草原は灰色の風が吹いている…。13歳のモラは「ガウチョ(牛や羊を放牧させるカウボーイ)」になることを望んでいる。学校に不満を抱えるモラは、両親にそのことを訴えるが、自給自足の理想の生活に現実が追い付かないストレスでいっぱいの彼らには届かない。モラは、馬のサオリを失ったマプチェ族の老人ナサレノを助けるために、草原の奥深くへと分け入っていく。

※なら国際映画祭2022より引用

学校も家も退屈さ、なら荒野へ

子どもたちはグラウンドでサッカーをしようとしている。だが、一人仲間外れにされている。モラは「ガウチョ(カウボーイ)」になりたいと思っているが、家族にもクラスメイトにも理解されず居場所がない。学校では喧嘩をするし、家族の思想とも合わない。そんなある日、馬のサオリを失ったマプチェ族の老人を助けるために荒野へ飛び出す。

本作は、広大な大地を利用して、居場所のない子どもが冒険に出る様を描いている。美しい画の連続に息を飲む。冒頭のアルマジロを追いかける場面や。丘を絵画的集中線にして人を捉えていく構図、頭上から人を取ったり、ロングショットで丘を登る様子を捉えたり手数が多い。ストーリーは素朴でシンプルなのだが、芳醇な画による満足感得られる作品であった。

監督のマリ・アレッサンドリーニは今回長編初監督とのこと。今後、東京国際映画祭にやってきたりしそうな監督である。

※IMDbより画像引用