【NETFLIX】『ロニー・コールマン: 偉大なる王者』マッチョはクライする。

ロニー・コールマン: 偉大なる王者(2018)
Ronnie Coleman: The King

監督:ヴラッド・ユーディン

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

2年前にパーソナルジムREAL WORKOUTのIKUMANさん( @bodybuilding_ch )からロニー・コールマンの存在を教えてもらった。ミスター・オリンピア8連覇達成した伝説のボディビルダー。警察官時代の様子に密着したドキュメンタリーは衝撃を受けた。圧倒的巨人だ。狭いパトカーの中で豪快に食事を取り、講習では前でふんぞりかえっている。一目見たら忘れることのできない姿がそこにあった。

さて、NETFLIXではロニー・コールマンのドキュメンタリー映画が配信されている。『ロニー・コールマン: 偉大なる王者』だ。早速観てみた。

『ロニー・コールマン: 偉大なる王者』あらすじ

世界最高の肉体美を手に入れるには一体何が必要なのか。王者という栄光の大きな代償とは。伝説のボディビルダー、ロニー・コールマンが自らの過去を振り返る。

※NETFLIXより引用

マッチョはクライする。

ミスター・オリンピア8連覇達成した生きる伝説ロニー・コールマン。彼の有名な警察密着ドキュメンタリーの挿入から映画は始まる。豪快大迫力な彼の雄姿。しかし、今は松葉杖生活を強いられている。過酷なトレーニングにより身体に無理が生じたのだ。そんな彼の人生を多角的に振り返っていく。豪快な彼のイメージとは裏腹に若きロニー・コールマンはインテリであった。学校ではアメフトをやりながら、常に優秀な成績を収めた。ジャーナリストはこう言う。

「ルイジアナ訛りが強いから誤解されやすいが彼はかなり頭がキレる男だ」

会計が得意な彼は仕事を探すが、インターン等で実務経験を積んでいなかったため、ピザ屋で働く。貧乏暮らしだったので、毎日まかないのピザを食べていたが、1年もすると飽きてくる。そこで、近くのハンバーガーショップやチキン屋のバイトと交渉してまかないを交換したのだ。彼は後にサプリメント事業を拡大することとなるのだが、そのビジネスセンスの原点を感じとることができる。

中盤以降は、ボディビルダーとしてのキャリアを振り返っていく。面白いのは彼のライバルであるジェイ・カトラーの視点があることだ。ジェイ・カトラーは2006年にロニー・コールマンの9連覇を阻止した人物。彼は長年、チャンピオンになれなかったのだが、最後の最後にロニーを倒した。通常であれば喜ばしいストーリーなのだが、彼は「9連覇止めてすまない」と謝るのだ。この栄光を嬉しく思っていないようだ。それが映画の中で明かされる。その男臭い友情に思わず涙するのだ。

イーストウッドの『クライ・マッチョ』がかつてマッチョだった男の物語のように本作もマッチョがクライする作品。

ロニー・コールマンの黄昏に垣間見る美しさに涙するのだ。

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※IMDbより画像引用