LOS HUESOS(2021)
THE BONES
監督:Joaquín Cociña、クリストーバル・レオン
評価:90点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
MUBIでJoaquín Cociña、クリストーバル・レオンの新作短編『THE BONES』が配信された。Joaquín Cociña、クリストーバル・レオンといえば、まるで長回しのように目まぐるしく世界が変わるストップモーションアニメの傑作『THE WOLF HOUSE』の監督である。なんと本作は『ミッドサマー』のアリ・アスターがエグゼクティブ・プロデューサを務めており、第78回ヴェネツィア国際映画祭にて最優秀短編映画賞を受賞している。これがめちゃくちゃ面白かった。
『THE BONES』あらすじ
The world’s first stop-motion animation film is excavated as Chile drafts a new Constitution. The film shows a girl performing a ritual exorcism to free Chile from its feudal heritage. Among a dance of bones, organs, and body parts, the spirits of two damned Secretaries of State are invoked.
訳:チリの新憲法起草に伴い、世界初のストップモーション・アニメーションが発掘される。封建的な遺産からチリを解放するために、少女が悪魔払いの儀式を行う様子が描かれている。骨や臓器、体の一部が舞う中、呪われた2人の国務長官の霊が呼び出される。
※MUBIより引用
これが真のボーン・アイデンティティ(The “Bone” Identity)だ!
世界初のストップモーションアニメが発掘されたという設定で、禍々しい世界が展開される。女が地中から骸骨を掘り起こす。そしてポコポコと叩き始める。フッと女が消えたりするその霊的空間と不気味な挙動、確かにアリ・アスターが好むのも頷ける。やがて、骨に肉体がつき始める、骨から人間が再生するように、皮や筋肉がつき始めるのだが、体のパーツが誤って結合されたりする。一方、女は人形だと思っていたら、いきなり等身大の、子どもにコスプレをさせたような存在が手を万歳したりする。人間と人形の狭間のようなものを見せつけられる。ヤン・シュヴァンクマイエルが『アリス』で、人形と人間の交差によって不気味な世界を紡いでいたが、それに匹敵する禍々しさを感じます。短い、作品なので長々と感想を書くことはできないが、とにかく面白い画がてんこ盛りであり、『THE WOLF HOUSE』に引き続き大好物であった。
※2023年8月イメージフォーラムにて『オオカミの家/The Wolf House』と共に上映決定!
※MUBIより画像引用