『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』彼らに絆はあるのか?

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021)
Venom: Let There Be Carnage

監督:アンディ・サーキス
出演:トム・ハーディ、ウディ・ハレルソン、ミシェル・ウィリアムズ、ナオミ・ハリス、スティーヴン・グレアム、シーン・ディレイニー、アンバー・シェンナ、リード・スコット、ローレンス・スペルマンetc

評価:45点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

世界遺産検定が終わった息抜きに『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』を観ました。『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、MCUフェーズ4の作品にあまり興味が持てなくなってしまった。久しぶりにMCU映画ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(メールでご指摘いただきました。本作は違うカテゴリなんですね)に触れたのですが、思いの外ライトな作品であった。

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』あらすじ

マーベルコミックのダークヒーロー、ヴェノムの活躍を描いたトム・ハーディ主演作「ヴェノム」の続編。圧倒的戦闘力と残虐性を持ち、ヴェノムの大敵となるカーネイジとの戦いを描く。「悪人以外を食べない」という条件でエディの体に寄生した地球外生命体シンビオートのヴェノムは、食欲制限を強いられ不満を抱えながらも、エディとの共同生活をそれなりに楽しんでいた。そんな中、ジャーナリストとして未解決事件の真相を追うエディは、刑務所で死刑囚クレタス・キャサディと再会する。クレタスは猟奇殺人を繰り返したシリアルキラーで、死刑執行が迫っていた。エディに対し異様な興味を示すクレタスは突如として彼の腕に噛み付き、その血液が人間とは異なることに気づく。そして死刑執行の時、クレタスはついにカーネイジへと覚醒する。主人公ヴェノム/エディ役をハーディ、エディの元恋人アン役をミシェル・ウィリアムズが続投で演じ、「スリー・ビルボード」のウッディ・ハレルソンがカーネイジ/クレタス役を演じる。そのほか新キャラクターのシュリーク役で、「007」シリーズのナオミ・ハリスが参加。「モーグリ ジャングルの伝説」など監督としても活躍する俳優アンディ・サーキスがメガホンをとった。

映画.comより引用

彼らに絆はあるのか?

MCU映画は社会問題を虚構から考察する作品が多いのだが、本作は珍しくライトなコメディ映画に仕上がっている。エディとヴェノム、クレタス・キャサディとカーネイジ、そして元恋人アンとその彼氏、3組のカップルが我が我がとスクリーン内で大暴れする。ヴェノムは人間の頭を食べたくて、また暴れたくてしょうがない。豪傑にエディを振り回す。一方で、クレタス・キャサディはカーネイジと一緒に、ヴェノムを倒そうとするが、クレタスの恋人が音で攻撃する特性を持っている為、カーネージは不満を抱く。何故ならば彼は高音が苦手中の苦手だからだ。アンは新しい恋人と仲良くしようとするが、エディとヴェノムのことを気にかけており、それが原因で騒動に巻き込まれていく。群衆などお構いなしに、部屋からテレビや皿が投げ捨てられ、目の前に現れる警察や悪党をなぎ倒し、クラブではバイブスをあげる。そんな彼らを、ドロドロぐちゃぐちゃなVFXで魅惑の気持ち悪さでコーティングする。まさしくポップコーン映画であろう。一方でその豪快さは雑さに直結しており、映画が終わればエディとヴェノムに絆はあったのだろうかと疑問を抱き始める。瓦礫に押しつぶされたヴェノムが、「これが絆だ」と再び立ち上がるのだが、そこにエディの存在感はない。1作目を観ていないのでエディの長所がどこかイマイチわからないのだが、ここは彼とヴェノム双方の弱みと強みを補いながらカーネイジたちを蹴散らす演出が必要であろう。串刺しになれど、どれだけダメージを受けているのかが分かりにくいため、ただ激しいアクションが並べられているだけのように見え、あまりいい映画だとは思わなかった。

※映画.comより画像引用