愛の記念に(1983)
A NOS AMOURS
監督:モーリス・ピアラ
出演:サンドリーヌ・ボネール、ドミニク・ベアネールetc
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
給付金でモーリス・ピアラの『愛の記念に』のブルーレイを買いました。
『愛の記念に』あらすじ
「悪魔の陽の下に」(1987)でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したモーリス・ピアラ監督が83年に手がけたドラマ。当時まだ新人女優だったサンドリーヌ・ボネールが主演に抜擢された。15歳の少女シュザンヌにはリュックという恋人がいたが、他の男たちとも奔放に付き合っていた。ある夜、遅くに帰宅したシュザンヌは父親ロジェと鉢合わせ、2人は久しぶりに親子の会話を交わす。毎晩のように男と遊び歩くことで家族から疎ましく思われていたシュザンヌは、真正面から向き合った父親に対して親しみを覚える。85年、日本劇場初公開(フランス映画社配給)。2013年、ピアラの没後10年を機に組まれた特集上映「フランス映画の知られざる巨匠 モーリス・ピアラ」で再上映。
※映画.comより引用
親の期待になんて背いたるbyサンドリーヌ・ボネール
バカンスでチャラ男と優雅に水遊びするボネール。夜の街で、片言のフランス語しか話せない水夫とフランス人のチャラ水夫とのやり取りを愉しみ、荒野を彷徨うボネール。女同士いちゃつき百合感を全開させるボネール。モーリス・ピアラお得意のアクションだけを継ぎ接ぎし、ドライに不埒な女性の愛を美しきキャンバスに塗りたくった本作は、映像だけで感動するのだが、本作はフランスが得意とする愛に関する哲学論議映画だ。
親は、家族は美しき娘を処女としてしっかりした愛を育んで欲しいと考えている。夜の街へ出ようとする彼女を制止したりする。しかし、年盛り思春期盛りの女の子にとって型にはめようとする家族の抑圧にフラストレーションが溜まる。全力で反発しようとする。ただ、愛は欲しい。
愛なき恋に愛は芽生えるのか?
という問いにボネールの放浪が答えていくのです。
クレール・ドゥニが『レット・ザ・サンシャイン・イン』で恋なき愛を嗜みアラフォーまで行ってしまった女性の虚無を描いていたが、本作はその地平線上にある作品と言える。そして本作は単純に愛の多様性に讃歌を送っているのではなく、エキセントリックな愛が育まれる過程を、アクションのモザイクで形作る作品と言えよう。
それにしても最近思うのだが、サンドリーヌ・ボネールってイザベル・ユペール系の厳つさを持っている。MARVELよりかはDC系の俳優のイメージが強い。
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