【東京国際映画祭】『新感染半島 ファイナル・ステージ』換骨奪胎マッドマックス

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020)
Train to Busan Presents:Peninsula

監督:ヨン・サンホ
出演:カン・ドンウォン、イ・ジョンヒョン、クォン・ヘヒョ、キム・ミンジェetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

カンヌ騒然日本興奮の2010年代重要ゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の世界観を共有した作品『Peninsula』こと『新感染半島 ファイナル・ステージ』が第33回東京国際映画祭上映後、2021年1月1日元日公開が決まった。一足早く観賞しましたので感想を書いていきます。

『新感染半島 ファイナル・ステージ』あらすじ


韓国で大ヒットを記録し、日本でも話題を呼んだゾンビパニックアクション「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を描く続編。「MASTER マスター」「ゴールデンスランバー」などで知られる人気俳優カン・ドンウォンを主演に、前作から引き続きヨン・サンホ監督がメガホンをとった。人間を凶暴化させる謎のウイルスが半島を襲ってから4年後。香港に逃げ延びていた元軍人のジョンソクが、ある任務遂行のために半島に戻ってきた。その任務とは、限られた時間内に大金が積まれたトラックをチームで回収し、半島を脱出することだった。トラックを回収し、任務は順調かに思われたが、民兵集団によりジュンソクたちはトラックを奪われてしまう。そんなジュンソクを窮地から救ったのはミンジョン母娘だった。2020年・第73回カンヌ国際映画祭(新型コロナウイルスの影響で通常開催を見送り)のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」作品。
※映画.comより引用

換骨奪胎マッドマックス

車に軍人と家族が乗っている。彼らはどこかを目指しているようだ。そこに傷だらけの男と子連れの女性が「助けて」と声をあげるが、ゾンビに噛まれている可能性があるので涙を呑む想いで無視を決め込む。こうして彼らが辿り着く船では多くの人々が今を生きようとしているのだが、そこで感染者が発生し、地獄絵図となる。特記すべきポイントは、冒頭から銃撃戦が始まることだ。前作では、「ゾンビの倒し方」という概念がない世界で、拳や身の回りの道具を用いて修羅場を克服する様が画期的であった。それを初っ端から捨て去るのだ。つまり、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編として観ると火傷する作品なのだ。正確に言うとすれば、『新感染 ファイナル・エクスプレス』がカンヌ系エクストリーム韓国アクションなのに対し、こちらは木曜洋画劇場とか10年ぐらい前のゴールデンタイム系ホラーアクションなのです。『バイオハザード』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』のノリにマッドマックスシリーズの換骨奪胎をねじ込む作品となっているのだ。

棄てられた半島に眠る大金を求めて潜入することになった軍人は、ゾンビが潜む空間に時折感じる謎の存在に一抹の不安を感じながらも強奪に成功する。それは一見簡単なミッションに見えたのだが、それはクリシェによって粉砕される。そしてゾンビ空間とそれを愉しむ野蛮な奴らの混沌の中でサバイバルしないといけない羽目となる。トンネルにたち憚る無数のゾンビ軍団に、『マッドマックス/サンダードーム』的、ゾンビ闘技場、廃墟を爆走しながら戦うデスロードバトルが所狭しと並んでいる。確かに、この映画は通俗な映画ではある。しかし、かつてテレビでは俗な映画が沢山放送されていて、ゆるくてガバガバな展開と引き締まった演出のせめぎ合いが多くの映画ファンを魅了させた。木曜洋画劇場やゴールデンタイムで流れるちょっと怖くて危なげなホラーアクション映画の懐かしさに浸れた私は、まるでおふくろの味に触れたような気分になりました。

※imdbより画像引用

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