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【ネタバレ解説】「新 感染」銃もナイフも使わずしてゾンビ映画最高傑作!ハンカチ必携だ!

【ネタバレ解説】「新 感染」銃もナイフも使わずしてゾンビ映画最高傑作!ハンカチ必携だ!

新 感染 ファイナル・エクスプレス(2016)
原題:부산행、
英題:Train to Busan


監督:ヨン・サンホ
出演:コン・ユ、キム・スアン、
マ・ドンソクetc

評価:5億点

昨年、カンヌ国際映画祭を熱狂の渦に包んだ韓国映画があった。その名も「釜山行き」。アニメ出身のヨン・サンホが、初実写でゾンビ映画を手がけた。そんな「釜山行き」が、あまりにも凄まじいゾンビ描写に重厚な人間ドラマでシネフィルから普通の映画好きまでを魅了し、世界最大級のゲテモノ映画祭シッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞・視覚効果賞を受賞。韓国の2016年興収成績No.1を獲得した。

そんな傑作ゾンビ映画がいよいよ日本でも「新 感染 ファイナル・エクスプレス」という邦題でお披露目となった。ブンブン1年も楽しみに待っていた作品なのでわくわくしながら新宿ピカデリーへ行ってきました。

「新 感染 ファイナル・エクスプレス」あらすじ

ファンドマネージャーとして働くソクは、家族サービスを怠り妻、娘と別居中であった。そんなソクは娘のお願いで、誕生日に妻のいる釜山まで行くこととなる。そしてKTX101号に乗ってソウルから釜山を目指すのだが、韓国はゾンビパンデミックとなっていた!狭い車内にゾンビ、駅構内にもゾンビ、走る、速い速いゾンビの群れをかいくぐってソクは娘を連れ母の元にたどり着けるのか?

シン・ゾンビ…それは銃もナイフも使わない

1968年に先日亡くなったジョージ・A・ロメロが「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を発表し、世界に「ゾンビ映画」というジャンルを広めた。それから半世紀、資本主義、難民問題など様々な社会情勢を内包した作品から、ビーバー×ゾンビ「ゾンビーバー」、インド×ゾンビ「インド・オブ・ザ・デッド」といった内容までありとあらゆるゾンビ映画が作られてきました。そんなゾンビ映画の文化はゲームからテレビドラマ、漫画にまで波及しています。

そんな「ゾンビ」、もうネタ不足なのではと思っていました。もう総てが二番煎じだと。しかし!この「新 感染」はシネフィルもあっと驚く展開の数々に驚き驚きの連続だ!今日は「新 感染」の魅力を3のポイントで語っていきます。

注目ポイント1:特急列車という名の密室

ゾンビ映画の醍醐味は、如何に人類を袋のネズミに陥れるかにあります。それこそロメロの「ゾンビ」は巨大ショッピングセンターというところを舞台にすることで、天国と地獄が紙一重になっている。世界規模のゾンビパンデミックを描いた「ワールド・ウォーZ」では、大都市から、進撃の巨人のような壁に囲まれた地区、そして研究所へどんどん空間を狭めていくことで主人公を追い詰めていった。

さて、本作では「特急列車」が舞台。一本道しかない列車内という空間を最大限に活用した演出に観客はため息出るほど感動する。700円で販売されているパンフレットには、ご丁寧にも特急列車の車内構造を解説している場面もあるほど、やはり魅せられるモノがある。

例えば、テジョン駅で一旦登場人物を駅に降ろす。そして、駅の出口付近で大量のゾンビと対峙した登場人物達は急いで特急列車に戻る。この手順を踏ませることで、車両毎に登場人物を分断させることができる。大多数が乗る安全地帯の車両。ゾンビに挟み撃ちにされトイレで身動きが取れなくなっているソクの娘他数名。そして、その中間にいるソクと2人。この場面から物語は観客の熱量と涙腺を刺激する。4両先にいる娘を助けるべく、ソクはゾンビ地帯を駆け抜けなければならない。しかし、そのゾンビ地帯は人が通ることが出来ないほど大量のゾンビが占拠している。誰しも「無理だろ!」と思う状況を、決して銃やナイフに頼らず、一般人ができるであろう最適なアイデアで切り抜けていく。ここだけでもう号泣しそうになった。

注目ポイント2:個性的で深い人物描写

本作は、できるだけ多くの登場人物の心情を深く深く描こうとしている。これが涙腺刺激ポイントでもあります。

長谷川博己似(町山智浩曰く大沢たかお似らしい)のソクは、ファンドマネージャーとしてプライベートを犠牲する仕事人。他人を蹴落とすことしか考えない男。そんな彼がゾンビを前に、自分の命しか考えてない行動をしまくっている。それに対し娘が「お父さんはどうして自分のことしか考えないの?」と言う。そんなソクが極限状態を通じて、父になる姿はまさにゾンビ版「そして父になる」だ。

そして、そんなソクに熱い調教を入れてくるのが、マ・ドンソク扮する巨漢のサンファ&妊婦のソンギョウン(チョン・ユミ)夫婦。ところどころ間抜けで笑えるこの夫婦の掛け合い。これがひとたびゾンビとの戦いに移ると、あまりに人情溢れるアクションにほれぼれとする。特にサンファが熱い!ソクに対して「お前、ファンドマネージャーだろ?分かっているな?使えない者は切り捨てられるからな」と言い放ちゾンビに向かっていく様子は、「もうあなたに一生ついていきます!」と言いたくなるほど。

また、ソク&サンファと共にゾンビと戦い4両先の車両へ向かう同士として野球部のヨングク(チェ・ウシク)がこれまた良い味出している。唯一生き残った女子マネージャー・ジニ(アン・ソヒ)の為に漢を魅せるが、途中に野球部の群れが!かつては同じ部活の仲間だった者がゾンビになっている。しかし、彼らを殺す勇気はない、さあどうするといった焦燥感の演技が非常に上手かった。

他にも、大阪のおばちゃん並におしゃべりなBBA姉妹。自己中でしぶとい男、命がけで特急列車を操る運転士とどれも魅力的。極めつけはホームレス(?)。ゴミみたいな彼が最後の最後で魅せる漢気に3度目の涙をしました。まさに「新幹線代爆破」を観ているような高揚感がそこにはありました。

注目ポイント3:決して銃やナイフを使わないアクション

通常、ゾンビ映画と言えば銃でゾンビの頭部を破壊したり、最低限ナイフで応戦したりする。しかしながら、アメリカならまだしも韓国でそれをやってしまってはリアリズムが失われてしまう。ってことで、映画必須アイテムの銃とナイフを封印するという荒技に出たのだ!

なので、例え軍人ゾンビを倒しても彼らの銃は決して握らない。意地でも拳かバットか、拾った棒で戦うのだ。なので、ゾンビとのとっくみあいが本当にジリジリとしていて厭らしい。なのに、抜群のカメラワークでスタイリッシュに魅せているので飽きない。

日本が舞台の「アイ・アム・ア・ヒーロー」やボンクラしか出てこない「ショーン・オブ・ザ・デッド」ですら、銃を使っているだけに、これは斬新。

オールタイムベストゾンビ映画更新

本作は、笑って泣けて熱くなるサイコーのゾンビ映画であった。走るゾンビ映画は評判が悪くなる傾向があるが、本作はブンブンのオールタイムベストゾンビ映画1位に躍り出ました。ってことで、最後にブンブンのオールタイムベストゾンビ映画を並べて終わることとしよう。

1位:新 感染 ファイナル・エクスプレス
2位:死霊のえじき
3位:プラネット・テラー
4位:バタリアン
5位:ショーン・オブ・ザ・デッド
6位:ゾンビ
7位:スペースバンパイア
(吸血鬼映画と見せかけてマチルダ・メイのおっぱいとゾンビが楽しめる作品)
8位:デッド寿司
9位:インド・オブ・ザ・デッド
10位:チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット

P.S.ヨン・サンホ監督作連続公開

本作公開に合わせ、ヨン・サンホ監督作が一気に公開となる。「新 感染」の前日譚「ソウル・ステーション/パンデミック」が9/30より新宿ピカデリーにて公開。そして10/21には渋谷ユーロスペースで新興宗教の脅威を扱った「我は神なり」が公開されます。これは観にいきたい!

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