【 #WeAreOne 】『DANTZA』カルチャーをカルティヴェートする

ダンツァ(2018)
DANTZA

監督:Telmo Esnal

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ポストコロナの映画祭のあり方を巡ってオンライン上映の活用が吟味されているこのところ、カンヌや東京をはじめとした映画祭が一丸となって、オンライン映画祭We Are Oneが開催されました。配信時間は海外基準故、日本では深夜or早朝に観ないといけないのですが、今回コンテンポラリーダンス映画『DANTZA』を頑張って観てみました。

『DANTZA』あらすじ


After a hard working day in the field, the heavens open and a ferocious storm breaks out. When the rain eases off, life sprouts from the previously barren soil. A piece of fruit grows, ripens on the tree after surviving the scourge of the blight and goes on to turn into a juicy green apple from which cider is nicely produced. Then it is time to celebrate the bumper harvest and drink a toast to love.
訳:畑での過酷な労働の後、天が開き、猛烈な嵐が吹き荒れる。雨がやむと、それまで不毛だった土壌から生命が芽生えます。果実の一部は成長し、病害を乗り越えて木の上で熟し、ジューシーな青りんごへと成長し、そこから美味しいサイダーが出来上がります。そして、豊作を祝い、愛に乾杯しましょう。
IMDbより引用

カルチャーをカルティヴェートする

Culture(文化)の語源は耕すという意味のCultivateである。

本作は、過酷な耕作から文化が創造されるまでのプロセスを舞いで表現している。草も生えない荒涼とした地で、人々が踊る。金属をかき鳴らし、へその緒のように繋がれた紐を大きな動きで手繰り寄せていく。その一体感の甲斐があって、雨が大地に降り注ぐ。晴耕雨読、人々は束の間の休息を洞窟で取る。ある者は、恵みに感謝をと水を蹴り、美しい放物線の滴を形成したりする。

やがて、大地に草が生え、花が咲き、文明が生まれていく。家が建てられ、教会が作られ、恵みを呼び寄せる舞いは文化として継承され、祭だ宴だと豪華絢爛なものへと発展していく。その様子をバークリーショットや、高い位置からの撮影によって奥行きを持った構図を作り出しながら観る者へ提示していく。

ダンス映画は、カルロス・サウラのフラメンコ映画をはじめとしてたくさん存在するが、意外と《映画》を意識した空間構図を作り出す映画言語への翻訳ができている作品は多くない。しかしながら、スペイン・バスク州出身のTelmo Esnal監督は見事に映画言語に翻訳し、舞踊と文化、社会の関係性をノンバーバルコミュニケーションとして提示することに成功していました。

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