『FIVE FEET APART』あのぅ濃厚接触しているのですが

ファイブ・フィート・アパート(2019)
FIVE FEET APART

監督:ジャスティン・バルドーニ
出演:コール・スプラウス、クレア・フォーラニ、ヘイリー・ル・リチャードソンetc

評価:30点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Twitterで、新型コロナウイルスで濃厚接触を避けなきゃいけない今だからこそ注目の作品と紹介されていた作品。米国iTunesにあったので観ました。

『FIVE FEET APART』あらすじ


A pair of teenagers with cystic fibrosis meet in a hospital and fall in love, though their disease means they must avoid close physical contact.
訳:嚢胞性線維症の10代の若者が病院で出会い、恋に落ちますが、彼らの病気は、物理的な接触を避けなければならないことを意味します。
IMDbより引用

あのぅ濃厚接触しているのですが

本作は嚢胞性線維症を患い6 feet=182cm人と離れないといけない男女の恋を描いた作品で、『きっと、星のせいじゃない。』を彷彿させる空気感を持った作品である。嚢胞性線維症とは、粘膜の輸送能力が低い為、粘り気のあるものが気管に詰まりやすく肺炎等の炎症を頻発してしまう難病です。難病情報センターによれば、日本では約60万人に1人と少なくあまり馴染みのない病気なのですが、ヨーロッパ系の人種では出生約3,000人に1人と結構な割合で罹るのだそう。そしてこの病は、免疫力が低下し様々な病気を誘発する危険性があるらしく、嚢胞性線維症財団(CYSTIC FIBROSIS FOUNDATION)によれば、

When there is more than one person with CF in your school, it is essential that they be kept a minimum of 6 feet (2 meters) apart from each other. Germs can spread as far as 6 feet through droplets released in the air when people cough or sneeze.
訳:学校にCFを持つ人が2人以上いる場合は、2人が2メートル以上離れていることが重要です。細菌は、人々が咳やくしゃみをするときに空気中に放出される飛沫を介して6フィートまで拡散されます。
※CFF《When There’s More Than One Person With CF in the Same School》より引用

とのこと。しかしながら本作ははタイトル含め、嚢胞性線維症の二人が離れなければならない距離を5 feet =152cmに歪めたことで若干炎上したらしい。これは、映画を撮る上で6 feet人を離すとフレームに役者を収めるのが難しくなり、切り返しを多用せざる得ない難点を回避する為にやらかしてしまったミスだろう。

ただ、それ以前に本作は感動ポルノと罵声を浴びせられても致し方がない程、良くない作品である。

そもそも5 feetという制約が映画に活かされておらず、医者や看護師はともかく、割と5 feet圏内に入り濃厚接触しているのだ。確かに、現実だってなんだかんだ圏内に入ってしまうだろうが、これは映画だ。定義されたルールを守ってこそだし、そこを守るから男女の恋物語に切なさが宿るわけだ。あまりに軽率な行動にモヤッとします。

しかも、映画はM83の『Wait』をはじめとした感傷的な音楽をことあるごとに流し、「ここ泣き所ですよ」アピールをしてくるのだが、これこそ24時間テレビ的感動ポルノ演出と言えよう。

病気を消費するこの映画の姿勢には疑問しか残りませんでした。

ブロトピ:映画ブログの更新をブロトピしましょう!
ブロトピ:映画ブログ更新

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です