【東京国際映画祭2019】『ジャスト6.5』イランから骨太ギャング映画が登場

ジャスト6.5(2019)
原題:Metri Shesh Va Nim
英題:Just 6.5

監督:サイード・ルスタイ
出演:ペイマン・モアディ、ナヴィド・モハマドザデ、ファルハド・アスラニetc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

東京国際映画祭コンペティション作品のイラン映画『ジャスト6.5』を観ました。本作はアスガー・ファルハディ映画常連男優のペイマン・モアディがドラッグ組織壊滅を目指す鬼刑事役として出演している作品だ。本祭の作品選定プロデューサーをしている矢田部吉彦がイラン映画の未来と支持をしているサイード・ルスタイ監督の本作は、日本クラシック映画を彷彿とさせる作品が多いイラン映画の中で意外な側面を魅せてくれる作品でした。

※第32回東京国際映画祭最優秀男優賞、最優秀監督賞を受賞しました。

『ジャスト6.5』あらすじ


イラン警察とドラッグ組織の対決を描く驚異のノンストップ娯楽作。部長刑事は強引な手法で次々と関係者を連行し、ついに親玉に接近するが。捜査の過程、ジャンキーのたまり場、留置所の様子、全てが規格外の迫力。イランの人気俳優対決も必見。
東京国際映画祭より引用

イランから骨太ギャング映画が登場

アッバス・キアロスタミやアスガー・ファルハディといった人間ドラマの深みの印象が強いイラン映画ですが、我々が知らないだけで、実は壮絶なアクション映画も作られている。『ジャスト6.5』の場合、冒頭から強烈だ。麻薬捜査班は、家に殴り込み、男は逃げる。イランの細い路地裏をジグザグに追う者、追われる者が疾走する。しかし、逃亡犯はうっかり穴へと落ちてしまう。警察が穴の近くにまで寄ってくる。絶体絶命の危機とと思っていた矢先に、ショベルカーが穴に土砂を流し込む。ショッキングなシーンから物語は始まるのだ。

ペイマン・モアディ演じるサマドは正義感溢れる男だ。イランの街に蔓延る麻薬中毒を撲滅する為に躍起になっている。そして遂に大物ブローカーである大物ブローカーのナセル・ハクザド(ナヴィド・モハマドザデー)のアジトが分かり逮捕に踏み込む。ナセルはやり手のブローカーだ。口巧みにサマドを取り込もうとする。サマドはなんとかして彼を利用してさらなる大物を芋づる方式で捕まえようとするのだ。

本作は、ウナギのようになかなか掴めないサイコパスブローカーと、正義のために型破りな捜査を行う鬼刑事を演じたナヴィド・モハマドザデー、ペイマン・モアディの演技合戦となっており、一進一退の攻防が見所となっている。そしてなかなか日本に入ってくるイラン映画では観られないド派手なアクション、韓国ノワールばりの仁義なき戦いに興味惹かれるのだが、この裏切る/裏切られるの似たようなやり取りを延々と2時間20分近く繰り返されると途中で飽きてきます。

あまりにクドい攻防に、個人的に辟易としてしまいました。とはいえ、矢田部さんがイラン映画の未来と言うのも納得、イラン映画の変化をこの作品に感じました。

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