ティーンスピリット(2019)
TEEN SPIRIT
監督:マックス・ミンゲラ
出演:エル・ファニング、ズラッコ・ブリッチ、レベッカ・ホールetc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』でニック・ブレイン役を演じていることで有名なマックス・ミンゲラが『ルイの9番目の人生』で脚本家デビューを果たし、その勢いで初長編作を作りました。『TEEN SPIRIT』はエル・ファニング版『スタア誕生』といえる、あるいはエル・ファニング版『パリコレ学』ともいえる音楽映画です。仕事疲れが溜まっていたので、エル・ファニングを謁見してみたのですが、非常に楽しいひと時を過ごせました。
ブログ記事:【ネタバレ考察】『TEEN SPIRIT』オーディション描写の辛辣さがELLEを輝かせる
『ティーン・スピリット』あらすじ
Violet is a shy teenager who dreams of escaping her small town and pursuing her passion to sing. With the help of an unlikely mentor, she enters a local singing competition that will test her integrity, talent and ambition. Driven by a pop-fueled soundtrack, Teen Spirit is a visceral and stylish spin on the Cinderella story.
訳:バイオレットは恥ずかしがり屋のティーンエイジャーで、小さな町から逃げて歌うことへの情熱を追求することを夢見ています。ありそうもないメンターの助けを借りて、彼女は彼女の誠実さ、才能と野心をテストする地元の歌唱コンペティションに参加します。ポップファンによるサウンドトラックによって動かされて、『TEEN SPIRIT』はシンデレラ物語の内臓でスタイリッシュな回転を魅せつけます。
※IMDbより引用
これがエル・ファニングのアナザースカイ
ポーランド人の田舎者ヴァイオレット・ヴァレンスキーはスターを夢見て、パブで歌ったりするのだが、スタアとは程遠い閑古鳥。家族とは仲が悪く、家には居場所がない。そんな彼女は狭い狭い部屋の中で感情を爆発して、歌、そしてダンスに対する愛を炸裂させる。彼女の脳内ではすっかりスタアなのだ。そしてそんな彼女は、テレビ番組に出演すべく、オーディションに参加するのだが、長身美貌な彼女はTALENT(=才能ある者)しかいない空間で埋もれてしまう。この感覚は『パリコレ学』で日本においてオーラに満ち溢れた身体を持っていながら、プロの世界に飛び込んだ瞬間、その美貌は全くもって武器とならず、努力と戦略で愚直に勝ち進まなければならない地獄を魅せてくるあの感覚に近い。
彼女の歌う曲は単体で聞くと、カリスマ性の残り香を追う曲ばかりというのも、二流感が滲み出ている。マックス・ミンゲラはエル・ファニングという立っているだけで人々の精気を奪う女優を起用しておきながら、ひたすらにモブキャラとして映し、抑圧抑圧の世界で「もがき」を描く。そして最後の最後に覚醒させることで、観客はまるで売れない時代からそのアーティストの応援者であったかのような気分となり我が子を見るような目で涙したくなります。
ショービズという成功するのはほんの一握り、修羅でハイリスクな世界に単身飛び込み、SEIZE THE DAYしていくヴァイオレット・ヴァレンスキーに魂が踊りました。
エル・ファニング好きは、このElle est fantastiqueに注目です。
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才能ある方ですね。
(=^ェ^=)