【ネタバレなし】『アス』俺たちに”US”はない

アス(2019)
US

監督:ジョーダン・ピール
出演:ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、エリザベス・モス、ティム・ハイデッカーetc

評価:80点

日本公開9/6(金)ジョーダン・ピール最新作『アス』を一足早く鑑賞しました。本作は『ゲット・アウト』のその先を行くクラシカル且つ最先端新鮮な作品でした。

【ネタバレ考察】『アス/US』滑稽なのに何故怖いのか?

『アス』あらすじ


アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごす為、幼少期に住んでいた、カリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。早速、友人達と一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われた事で、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。やがて、家族の身に恐ろしい事が起こるという妄想を強めていくアデレード。その夜、家の前に自分達とそっくりな“わたしたち”がやってくる・・・。
※Filmarksより引用

俺たちに”US”はない

『ゲット・アウト』で古典的王道ホラーに魅せかけて、黒人の歴史を巧みに皮肉ってみせまジョーダン・ピール最新作。本作は、ある裕福な家に、家族とソックリな風貌を持つ集団が侵入するという内容。ジョゼフ・ロージーの『召使』から描かれてきた侵入者乗っ取りもの。最近でも『ボーグマン』や『歓待』などといった作品が作られているほど、愛されたテーマだ。

そして、『アス』は『トワイライトゾーン』にあった乗っ取りものをベースに映画化されたのですが、『ゲット・アウト』以上に手数の多さと再構築の妙に唸らされました。

なんといっても面白いのが”US(=私たち)”の造形。我々と同一でありながらも、一目見ただけで身の危険を感じるほどの眼差し。滑稽なはずなのに笑えなくなるほど怖い気持ち悪い動き方に背筋が凍ります。ジョーダン・ピールは元々コメディアンであることを活かして、笑いと恐れの狭間をチクチクと刺す恐怖に包まれています。

そして、王道なホラーのはずなのに、社会問題へのメッセージが隠されているはずなのに中々掘っても掘っても核心に迫れないもどかしさがさらに得体の知れない恐怖となって我々に襲いかかります。

そして、終盤に行くに従い、「俺たちに”US”はない」から「俺たちに明日はない」という絶望が包み込み戦慄しました。ジョーダン・ピール監督まだまだギラギラしてました。

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