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【キューバ映画特集】『低開発の記憶』キューバ映画史上最重要作を観てみた

【キューバ映画特集】『低開発の記憶』キューバ映画史上最重要作を観てみた

低開発の記憶(1968)
原題:MEMORIAS DEL SUBDESARROLLO
英題:MEMORIES OF UNDERDEVELOPMENT


監督:トマス・グティエレス・アレア
出演:セルヒオ・コリエッリ、デイジー・グラナドス、
エスリンダ・ヌニェスetc

評価:75点

今日から5日間、キューバに行って来るので、事前に観たキューバ映画のレビューをアップします。

『低開発の記憶』あらすじ

カストロが社会主義宣言を行った1961年。中流階級以上はアメリカに亡命するか、キューバに残るかの選択を迫られていた。小説家セルヒオはキューバに残り、小説を書くことにするが…

キューバ映画史上最重要作

昨年末にディスクユニオンのセールで『低開発の記憶』のDVDを購入した。社会主義革命が成功し、カストロが本格的に社会主義国家形成を始めた1961年を舞台に富豪の小説家が亡命するか否かを悩むという内容。

かなりフランスヌーヴェルヴァーグやイタリアネオリアリスモのリアリズムと実験精神を意識した作風になっている。例えば劇中に当時の社会情勢を補足するドキュメンタリーが挿入されていたり、ジャズのリズムに合わせてシーンを乱雑に嵌め込んでいくあたりにその精神を感じる。

内容は至って文学的。ある富豪がマンションの上層階から、下界の者を双眼鏡で覗き、「奴らは低開発だ」と見下す。女を連れ込んで、盗聴なんかして品定めするが、自分に見合った女は見つからず「低開発だ」と捨てていく。

しかし、自分は国外逃亡する勇気がなく、どんどん社会主義に取り込まれていく。特権階級のように生活していた男が、社会主義により階級を失っていく当時の様子を生々しく描く。その時のイヤーな葛藤、デカダンスが映画全体を包み込んでいた。

まさしく、1960年代にブルジョワだった者の地味に嫌な雰囲気をカメラに収めた一本と言えよう。

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