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【必見】『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』大学生よ!ボランティアする前にこの不道徳教育講座を受講せよ!

【必見】『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』大学生よ!ボランティアする前にこの不道徳教育講座を受講せよ!

日本初?いや世界初?マサイ族のWebライター本を出版!


先日、Twitterであるツイートが目に止まった。中野さん(@pisiinu)がロケットニュース24にマサイ族のライターがいる!と動揺しているツイートだ。

ロケットニュース24?あまり聞いたことがないので公式サイトのマニュフェストを読んでみた。


ニュース、それは社会で起こった、重要な出来事を伝える役割のものです。この高度情報化社会の21世紀、いつテレビを見ても新聞を見ても世の中はニュースばかりです。重要な出来事に関しては、かなりの部分の情報が手にはいる世界になったといっても過言ではありません。

そんな中、私たちはロケットニュース24を立ち上げました。

ロケットニュース24は、あまり新しくないことを早く伝えたい、という気持ちだけは負けていないネットメディアです。お金や知名度、人脈はないけれども、くだらなくて、おもしろい出来事などを、8割くらいの力でお届けします。よろしくお願い申し上げます!

どうやら、ねとらぼに近い、世間に転がっている話題をユニークな側面から切り込むWebニュースサイトのようだ。なるほど、それでマサイ族か!

↑クリックすると拡大します。

実際にページに飛んでみたら、、、本当にいました。

タンザニア国境近く、ケニア共和国・アンボセリに住んでいるマサイ族のルカさん。なんと2015年11月14日から現在まで170記事以上、アンボセリ、そしてケニアの情報を発信しているのだ。しかも、マサイの電気事情(【マサイ通信】第4回:マサイ族のスマホ充電事情 / 10キロ先に住む太陽男「ソーラーマン」が約34円でフル満にしてくれる)から、トイレ事情(【マサイ通信】第17回:マサイ族のトイレ事情 / 大便後に使う意外なモノとは?)、さらにはインスタグラムGIFアニメに挑戦する、イマドキJKさながらのテクノロジー記事まで書かれているのだ!なんでそうなった??ってことで、4月に発売された単行本を取り寄せてみました。そして、アンスティチュ・フランセで開催中ゴーモン特集で上映される激レア映画『鱒』のチケット発売を待っている間に熟読しました。


そこには、ハリウッドが知ったら、ソッコー映画化したくなる、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞映画になるだろうドラマチックな物語がありました。

大学生よ!ボランティアする前にこの不道徳教育講座を受講せよ!

まず、初めに丁寧に何故、ルカさんは日本のロケットニュース24でネットライターをしているのかということが事細かく書かれている。


ロケットニュース24の編集長であり、迷惑メール評論家、漫画家・マミヤ狂四郎の顔を持つ男・GO 羽鳥は《最強のマサイ族を探す》というミッションを携え、ケニアのアンボセリに潜入する。そこで、彼はルカさんと出会った。ライオンを倒した戦士《ルカさん》に惹かれていく彼。彼よりも強い戦士、マサイのバイ●グラエトセトラ、エトセトラ、様々な特ダネを提供してくれたルカさんは最後に、GO 羽鳥にこう懇願したのだ。

「井戸が枯れているからお金を援助してくれ。学校がショボイからお金をくれ…」

もし貴方だったらどうするだろう。援助しますか?

GO 羽鳥の答えは、《NO》だった。

ライオンに打ち勝つ程の戦士が、何もせずに金を得ようとする姿に失望したのだ。ただ、ルカさんに惹かれた彼は、面白い形でルカさんを援助することにした。それがこの本であり、ロケットニュース24のネットライターという仕事だったのだ。

ブンブン、この文章を読んで心が熱くなった。

小学校時代、赤い羽根募金が毎年開催され、募金しない人に対して、「薄情だ」と蔑視される風潮に嫌気が差し、それ以来募金否定派として生きてきたブンブンにとってこれ以上にない愛ある社会貢献に胸打たれたのだ!

これは「すしざんまい」の社長・木村清氏が、日本の魚の釣り方を教え、中古漁船を提供し、ソマリアの海賊を壊滅させた伝説に通じるものがある。金安易に与えることは、貧しき者の為にならないのだ。まず、何故、貧しい者は金がないのか?それは、金を稼ぐ方法を知らないから。知識がないから、自分で生きる術を知らないからに等しい。安易に金を与えても、それは知識に繋がらない。結局、悪い人に金を奪われたり、金を使い切ったらまた最初の状態に戻ってしまう。いつまで経っても、豊かになれないのだ。また、金を与えるということは、無意識のうちに主従関係を生み出してしまう。金を与えている方は、「支援している」という肩書きが、金を貰う方は、「支援してもらっている」という肩書きがついてしまう。これが続くと、はっきりとした上下関係が形成され、いつまで経っても対等に話し合うことができなくなってしまう。下手すれば、奴隷、ペットのような扱いとなってしまうのだ。本当に支援したいのであれば、彼らが自立する道を提供する方法を考える必要があるのだ。それは、学校を建てるとかそういった安易で独りよがりなものではない。

さて閑話休題、本の話に戻ろう。GO 羽鳥はルカさんに井戸を直す金を稼ぐ道を用意した。「マサイ通信」という名のネットライター業。この道は、生易しいものではない。原稿料の優遇もなく、日本人ライターと全く一緒。PVが命だ。格安スマホ『TJC StarQ Q5001』だけを渡され、村から50キロ先にあるネットカフェでFacebookのメッセンジャーを使い、GO 羽鳥とミーティング。そして、ルカさんが提供する写真とネタをベースに彼が超訳し、日本の読者に届けられる。GO 羽鳥が全然記事を書かないようならライオンを追い込むごとし、あらゆる手法を用いて発破をかける。GO 羽鳥もルカさんに厳しい。写真だけ送ってこようものなら、本気で怒るのだ。

一見、ダジャレ、ギャグだらけの、不謹慎に見える内容だが、読んでいくうちに、GO 羽鳥とルカさんが互いに死闘しながら紡ぎ出される熱いドラマ。単なる慈善事業に陥ることなく、本気で面白いことして双方にWin-Winなビジネスをしている様子に涙が出てきました。

ネットニュースと単行本の違い

よく、巷にはブログやネットニュース、掲示板サイトの単行本が売られている。結構、「ただ紙媒体にトレースしただけ」というがっかり本もあるのだが、『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』はしっかり紙媒体ならではの面白さを探求している。

ネットニュースでは、Twitterやyoutubeといった媒体を貼り付けることができるが、本では有効ではない。そこで、単行本では、まるで旅行本コーナーにあるような、カラフルでフォントサイズも自由自在、写真も、フォトブックに近い乱雑さでポップにリライトしているのだ。オールカラーで、見辛かった写真も、加工し再掲載することで、次々にページを捲りたくなります。さらに、ただ時系列に記事を載せるのではなく、10のカテゴリに分けて整理している。なので、失速することなく、マサイ族の生き様を楽しく知ることができます。合間合間には、GO 羽鳥の裏話が書かれており、これがまた胸ぐらを掴まれるように涙と血が吹き出る胸熱物語だったりする。読み終わった頃には、職場でうっかり、

Supa!Sopa(こんにちは)!

Olesere(さよなら)!

と言ってしまいそうな程に、ケニア、そしてマサイ族への関心が深まることでしょう。

最後に…

この本、ないしマサイ通信は是非とも大学生。特に、海外ボランティアをしたい学生に読んでほしい(フィリピンのスラム街に行きたくクラウドファンディングをした彼らも是非!)。小中高と先生や親から教わってきた道徳。それは、綺麗で美しいかもしれない。「恵まれない子どもに慈悲を」「戦争、難民に救いを」という言葉を見たら、助けたくなるだろう。しかし、ボランティアや貧困支援、介護には知識、そして金がかかる。結局はビジネスなのだ。「金なんかいらない」って言葉が最大の偽善である世界なのだ。

もちろん、そんなことはほとんどの先生は教えてくれないし、大人だって簡単には教えてくれない。だからこそ、この不道徳教育講座という授業通称「マサイ通信」に触れて、未知と邂逅してほしい。『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』を購入すると(1,200円+税)印税としてルカさんの元に金が渡る。募金否定派なブンブンも、これだけ面白い本であれば支援したくなる。面白い記事の対価として、ルカさんに援助できるのだ。

なので、もしこの記事を読んで、惹かれたら、是非単行本を買って、「マサイ通信」もブックマークだ!そしてルカさんのファンになったらSNSで拡散しよう!

それでは、この辺でOlesere!!

↑この本に触発されて豆で弁当を作ってみた。

オススメ「マサイ通信」記事

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「日本はコロンビアに勝つと思っていた。しかしセネガルは…」とマサイ族の戦士が次戦を予想 / マサイ通信:第170回
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おまけ:ケニア映画『RAFIKI(Friend)』

ブンブン、珍しい国の映画に目がない映画オタク。今までフィリピン、ジョージア、アルメニア、アルゼンチン、チリ、キューバなどといった国の映画を観てきたが、残念ながらケニア映画は一本も観たことがない。なのでオススメできるケニア映画はないのだが、その代わり、もしかしたら10月末の東京国際映画祭で上映しそうなケニア映画を紹介します。『RAFIKI(Friend)』っていう作品です。

レズビアンの少女の恋の移ろいをポップに描いた作品で、今年のカンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され話題となりました。本作は、映画祭に出品されたものの、同性愛を描いた作品だということでケニア政府から上映禁止処分を言い渡されてしまいました。映画祭での評判はぱっくり二分。あまりにポップ過ぎる演出に苦言を呈する業界人も多かったのだが、東京国際映画祭の作品選定プロデューサーこと矢田部吉彦の評価は上々だったので、日本で観られるかもしれません。もし、上映されるのであれば、有給を取ってでも観に行きたいぞ!

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