炎上クラウドファンディング(?)
「スラム街の暮らしを肌で感じたい!」プロジェクト
昨日、Twitterを見ていたら、衝撃的なクラウドファンディングと遭遇した。それが、近畿大学建築学部の学生が企画した「スラム街の暮らしを肌で感じたい!」プロジェクト。概要は、フィリピン、マニラにあるスラム街へ行く為の活動費25万円を集めるというもの。しかしながら、文面をみると、何故クラウドファンディングをしてまでフィリピンへ行きたいのか?また、フィリピンで何をし、何を得たいのかが不透明であり、完全に遊びに行く気満々な内容となっていた。
※2018/07/04 21:30現在企画は中止となっている。画像は一部画像を加工しています。
※ねとらぼ:「スラム街の暮らしを肌で感じたい!」学生企画に批判 → クラウドファンディング中止に 支援者には全額返金へ
薄すぎる目的
例えば、彼らの目的を見て見ましょう。
そして、今回の旅でやりたいことが二つあります。それは、スラム街の子供達と会話をしたり遊びで交流し、子供たちに夢を与えることです!スラム街にはたくさんの子供がいます。子供達は、外部の人との交流が少なく遊びも限られ毎日単調な日々を過ごしています。僕たちに、夢を探すきっかけをつくってくれた社長さんのように、今度は、僕たちがスラム街の子供達に夢を与えるきっかけになりたい!と思いました。そのため、子供達に日本語や日本の遊びを教えたり、フィリピンの遊びを一緒に行うなどでスラム街の子供達に生きる楽しさと将来への希望を与えたいです!!もう一つは、その活動を映像にし皆さんに届けることです!今は、映像製作もろくにできません。ですが、今回の企画をきっかけに映像作成を勉強して、すごい!!と思われるぐらいの映像を作り、今後の活動に活かしたいと思っています!僕たちの成長過程を暖かく見守っていただけると幸いです。
まず、一つ目の目的「スラム街の子供達と会話をしたり遊びで交流し、子供たちに夢を与えること」。確かに、学生がよく考えがちな貧困とのコミット方法だ。ただ、じっくりこのフレーズを噛み砕いて欲しい。「与える」って言葉の上から目線感、傲慢さに気がつくことでしょう。現地の人は、その日その日を苦しんでいながら生きている。苦しいけれども、少しの笑いやユーモアに生きる希望を抱いて生きている。一見、そんな彼らの生き様に憐れみを抱いているように見えて、自己満足に終わってしまっている。夢を与えるのはいいが、その後を果たして考えているのだろうか。夢を得たフィリピンの子どもたち。しかし、貧困故に到底夢を掴むことができない。映画の中では、選ばれし者が夢を掴んでハッピーエンドとなるが、実際には何十年も苦しみ、挙句に夢が掴めず朽ちてしまうかもしれない。夢を与えること、それは人生に絶望を与える可能性を孕んでいるということを彼らは理解していないようだ。
そして、二つ目、「その活動を映像にし皆さんに届けることです!今は、映像製作もろくにできません。ですが、今回の企画をきっかけに映像作成を勉強して、すごい!!と思われるぐらいの映像を作り、今後の活動に活かしたいと思っています!」。ざっくりとしていて、どういう凄い映像を作りたいのか全くわかりません。
ナメたクラウドファンディングページ
さて、このクラウドファンディングページを見ると、チャラいを通り越して失礼を極めたものとなっていた。別にチャラいのが悪いわけではない。
ただ、このページに掲載されている写真は、どれも、フィリピンに誠意を持っているとは到底言い難いものがあった。特に、何故資金を集めるのかについて書かれた部分の写真。これは明らかにナメきっています。この写真により、下記の文章が、さらに読み手のフラストレーションを溜めるものとなっている。
毎日コツコツバイトしてますが時間も限られていて稼げる額も限りがあります。
だがしかし!!!
この企画を諦めるわけにはいきません!絶対に今回の旅に行くことによって僕たちが何かを得れるという確信はあります。誰かのために!と謳うつもりはありません。だから、はっきりと言います。
今回の旅行は、誰かのためではなく僕らがやりたいからやります!
でも、欲張るなら『僕らの発言が誰かの刺激になって欲しい』そして、『いつしか僕らの存在が刺激そのものになって欲しい』と思います。というか、なります!やります!なってやります!そのために、わがままと言われても周りの意見は気にせず自分たちのやりたいことを全力でやります!!!!
しかも、ここで彼らの本性が露わになっているのだ。「今回の旅行は、誰かのためではなく僕らがやりたいからやります!」。完全にレジャーとしての旅であることを明言しているのだ。
フィリピンのマニラ潜入クラウドファンディングのリターン。支援してくれた方に失礼なのでは、条件も自己中心的でマズイぞ、、、 pic.twitter.com/fQ4xMPF4dS
— che bunbun (@routemopsy) 2018年7月3日
酷い、でも応援したい。ってことで映画を紹介してみた
意識高かろうがプライド高かろうが、例えそれが薄っぺらい言葉であろうが、それでも、少しだけでも、世界を良くしようとする人たちを嘲笑う世の中は、底なし沼ですよ。あなたが引っ張ってるつもりの他人のその足は、自分の足です。
— 家入一真 (@hbkr) 2018年7月3日
直接的な関係値がある上で年長者が若者を諭す行為と、見知らぬ若者や他人に対して「甘い」「意識高い」と批判する行為は、全く別物でしょう。 https://t.co/jrPyz1Mntr
— 家入一真 (@hbkr) 2018年7月3日
典型的な、中身が伴わない意識高い系のクラウドファンディング。運営元がCAMPFIREなだけに大炎上している。ただ、株式会社CAMPFIRE 代表取締役である家入一真は上記のように語り、本プロジェクトを応援している。
正直、この手の意識高い系は通過儀礼である。高校時代が終わり、先生、親というしがらみから解き放たれる。いきなり交流関係が広くなり、いとも簡単に大人と、それも社長とか有名人レベルとも交流できるようになる。時間的余裕も生まれる。周りは、留学をしたりボランティアをしたり、はたまた起業したりする。1,2年後に訪れる、就職活動のネタを作りたい。周りみたいに凄いことをしてみたいと大学生、誰しも思うものだ。むしろ、折角自由という名の大海原にいるのだから貪欲でなければ勿体無いとブンブンは思う。そして、痛い目に遭い、理想と現実の乖離と直面することで大人になって行くものだ。
ブンブンもそういう時期があった。大学時代は、斜に構えてトンガっていた。それだけに、クラウドファンディング起こすまで行動した彼らを賞賛したいし応援もしたい。恐らく、若気の至りで暴れている彼らに自分を重ね合わせ応援したくなる方もいるのでしょう。実際に昨日7/4(火)時点では5万円程しか集まっていなかったのが、今朝6時現在10万6千円まで集まっている(12時時点には15万円を超えていた)。この勢いで行けば、25万円簡単に集まりそうだ。(現在は中止となっている。)
ただし、このまま彼らが資金を調達しフィリピンへ飛び立つのはマズイと個人的に思う。無意識の差別、無意識の上から目線が現地人を傷つけ、日本に対する憎しみを植えつけて帰ってきてしまうであろう。それが何年か後に、復讐という形で返ってくるかもしれない。また、マニラはちょっと調べれば分かるがかなり危険なところだ。例え、今回無事に帰ってきたとしても、勢いに乗ってベネズエラとか南アフリカ共和国なんかに行ったら、殺されてしまうかもしれない。
残念ながら、ブンブンはフィリピンの歴史とかそういうのは詳しくないし、行ったこともない。ただ、映画オタクとして、事前学習で観て欲しい映画を紹介することはできる。というわけで今回、フィリピン映画/フィリピンを舞台にした映画5本とフィリピン映画ではないが観て欲しい映画5本を紹介します。全部観る必要はないが、一本は観て欲しい。また、近畿大学建築学部のトリオに届いて欲しいので、もし共感できるのなら、SNS等で拡散して頂けると嬉しいです。
ってわけでまずはおすすめフィリピン映画/フィリピンを舞台にした映画5本を紹介していきます。
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