『映画ドラえもん のび太の宝島』川村元気が描く家族愛にドラ泣き!

映画ドラえもん のび太の宝島(2018)

監督:今井一暁
出演:水田わさび、大原めぐみ、
かかずゆみ、大泉洋、長澤まさみetc

評価:75点

いつか時が流れて
必ず辿り着くから
君に会えるよ
どどどどどどどどど
ドラえもん!

ってことで、今年もやってきましたドラえもんの季節。ドラえもんは毎回驚きを与え続け、早38作目。もう10年で寅さんに追いつくところまでやってきました。前回の『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険

』は、まさかのプロットが『エイリアンVSプレデター』だった。今回はロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』をベースにしている。てっことでいってみましょう!

『映画ドラえもん のび太の宝島』あらすじ

夏休み!のび太はロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』にインスパイア受けて、宝島を探すことにする。最近日本近海に爆誕した島がどうやら宝島であることに気づいたのび太は、いつものメンツで島を目指すのだが…

のび太のカリスマ性に燃えよ!そして家族愛にドラ泣きする

脚本に、あの最強プロデューサー川村元気が配属されている為か、ワクワクドキドキが止まらない名作となった。

例えるならば、今や朽ち果てた『パイレーツ・オブ・カリビアン

』シリーズが忘れてしまった高揚感を本作は思い出させてくれる。

冒頭から、これから始まるお話の面白いところを余すことなく描かれる。みんなのピンチをスリリングに助けるのび太に燃える。そして、のび太の必殺の一撃に「かっけー!」と拍手したくなる。この時点で私の胸ぐらはのび太に掴まれ、逃れることはできない。

さて、ここから見えてくる大海原は少年少女のワクワクを掻き立てるスペクタクルという領域を超えてくる。

1にのび太のカリスマ性
2に家族愛

この二つが大人でさえドラ泣きしてしまう美しきドラマとして襲いかかってくる。

本作ののび太はカリスマ性の鏡だ。一見ヘナチョコに見えるが、ネゴシエーターとして最強だ。彼はいじめっ子、女子、大人、外国人、正体不明の生物、ロボットどんな種族でさえ、抜群のパフォーマンス、モチベーションを引き出すことができる。しかも、空気を読み、その時の最適解を瞬時に導き出し、それも藤井六段張りの正確さを持つ。

例えば、仲間が皆ドラえもんをタヌキロボットといじる場面。のび太は、一応周りのムードに乗るが、すぐさまドラえもんをフォローする。ドラえもんをおだて、場を鎮めようとする。非常に上手い。

こんな経営者顔負けの振る舞いを、自覚なしに行い続ける尊さ。それがしっかりと層として積み上がるからこそ、家族愛の描写が美しく、泣けてくる。しかも、その時に星野源の癒しの声(挿入歌『ここにいないあなたへ』、主題歌『ドラえもん』)が劇場を木霊する。サイコーではないか!

確かに、今回悪役描写が弱かった。悪役の海賊がとある出来事から狂気に陥り、地球滅亡の危機へと導くのだが、地球の危機が全く伝わらない。家族愛描写に集中するあまり、悪役の狂気性を表す描写が疎かになってしまったのは正直残念だった。

しかし、本作はあまりに美しい。穢れなく、愚直に夢に向かって旅する者たちにただならぬ高揚感を得た。

是非劇場でドラ泣き体験してみてくれ!

P.S.画面を直視できない程清いしずかちゃん百合シーンもあるぞ!

ドラえもん映画感想

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