もくじ
5.ぼくとアールと彼女のさよなら(2015)
鑑賞環境:マルタ行きの飛行機監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
何故か日本では劇場公開しなかった作品。アメリカ版セカチュー。まず、この作品に言いたい。センス・オブ・ワンダー!!だと。映画少年が作るパクり映画の色彩や手作り感がウェス・アンダーソンを思わせるオシャレさ。ただこれがちゃんと映画のテーマに絡んで来ます。作家性を持たず、パクり映画を作って喜んでいるような野郎2人が、女の子の願いにより自分の作家性を見つけていく過程が本当に素晴らしい。しかも、最後に作る作品がアンディー・ウォーホル映画のオマージュをしつつ、自分の感情を盛り込んでいるというコアすぎる作品なのも個人的にドはまりしました。
4.ブロンド少女は過激に美しく(2009)
鑑賞環境:DVD監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
ようやくブルーレイが出たマノエル・ド・オリヴェイラ監督作。100歳の監督が撮った童貞映画はフェティッシュMAXな映像に思わぬ展開で終わるあのエンディングに惚れ込んだ。あまりに好きすぎて、推しシネバトルで紹介し優勝したり、どいらじにも投稿してみたりしました。まるで熟成されたポートワインのような本作でした。
3.ストップ・メイキング・センス(1984)
鑑賞環境:新文芸坐監督:ジョナサン・デミ
今年、6回も観た程本作にメロメロになりました。これははっきり言って映画ではない。ライブドキュメンタリーにしては、過去映像もライブの舞台裏も魅せず、ただひたすらトーキング・ヘッズの伝説的ライブを映しているだけ。しかしながら、トーキング・ヘッズのトリッキーにトリッキーを重ねた演出の魅力を5000%引き出したジョナサン・デミは凄いと思う。最初に観たのは、新人研修に向かう途中の満員電車。その後、あまりの凄さに家で見返して、新文芸坐の強制スタンディング上映にも行きました。個人的には『シャイン・ア・ライト
』以来の興奮したライブドキュメンタリーでした。
2.美しき仕事(1999)
BEAU TRAVAIL(1999)
鑑賞環境:アンスティチュ・フランセ東京監督:クレール・ドゥニ
バリー・ジェンキンス監督が『ムーンライト
』を作る際にお手本にした作品。ジブチで活動する外人部隊の間で発生する語らぬ愛。それを、繰り返しと機械的な肉体と大地が織りなす鼓動、そしてドニ・ラヴァンのぐにゃぐにゃした動きで観る者は「なんなんだこれは!」と眼を丸くするだろう。よく、映画の感想で「Don’t think, feel」というものがあるが、本作を超えるその感想が当てはまる作品はないだろう。
1.早春(1970)
鑑賞環境:ポーランド映画祭監督:イエジー・スコリモフスキ
イエジー・スコリモフスキ伝説の童貞映画。キャット・スティーヴンスの『But I Might Die Tonight』で始まるオープニングから5億点。少年が好きになった女の子に自分の理想を押しつけ、勝手に神格化させてくるあたりに、我ながら痛い記憶が引き出された。ホットドッグのシーンや看板のシーン、ラストなど狂ったギャグシーンも魅力的だが、やはりこれは自分の人生の映画。自分が辿ってきたイニシエーションラヴの記憶を成仏させる映画として大切な一本、オールタイムベスト映画となりました。
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