【ブンブンシネマランキング2017】旧作邦画部門第1位は『乱』遂に黒澤明と和解

5.キャッチボール屋(1974)

鑑賞環境:Netflix
監督:大崎章

お盆の弟

』の大崎章伝説的作品。インディーズ邦画好きが集まるオフ会で結構話題になるので、Netflixで観たのだが、これは面白い。公園でキャッチボールの相手をする仕事をいきなり丸投げされた男が、いやいやキャッチボール屋をする。そこに集まるワケありな人々。映画を観て、「こいつら気になる。どんな人なんだろう?」という興味を今年一番掻き立てられました。本作を観たのは、社会人になってまもない頃。サクラ舞い散る公園でボールを投げ合う人の画の余りの美しさに感銘を受けた。頭から尻尾まで楽しめる傑作だ。

4.国道20号線(2009)

鑑賞環境:K’s シネマ
監督:富田克也

『バンコクナイツ』の原点と言える作品。地方都市で夢を観る者のどうしようもない地獄を苦々しい陽光で描く。地方で都会を夢見る作品が、上京して夢敗れた者と海外から日本の地方都市に移住し燻っている者の物語『サウダーヂ

』になった。そして、その夢追い人と都市との関係をグローバルレベルに昇華させた『バンコクナイツ』が生まれた。富田克也イカしています!

ちなみに、本作がアップリンクで初上映された時、動員がすこぶる悪く、観客0人回もあったとのこと。しかしながら、その年の映画芸術ベストテンにランクインした。ちょっと映画芸術を見直した。

3.男はつらいよ 寅次郎心の旅路(2016)

鑑賞環境:Netflix
監督:山田洋次

今年は男はつらいよフルマラソンを行いました。1/1から48日かけて走破した男はつらいよシリーズ。その中で一番面白かった作品が、この『寅次郎心の旅路』。ウィーン市長がこのシリーズに惚れ込んで招致した異色作。ただでさえ、アメリカ人嫌い、英語なんか全く話せない寅次郎が、サラリーマンを助けたことからウィーン旅行へ。寅次郎のコミュニケーション能力の高さに驚かされる。会話に必要なのは語学力ではないことを教えてくれる。また、ウィーンの旅行会社に勤めている女(竹下景子)の海外で頑張る女性像はANOTHER SKY好きな私の心を鷲掴みにした。ウィーンに行ったことがあるだけに思い入れが強い作品である。

2.歓待1.1(2010)

鑑賞環境:日本映画専門チャンネル
監督:深田晃司

淵に立つ

』の原点に当たる作品。日本映画専門チャンネルでディレクターズカット版が放映されていたので観てみた。本作は、古舘寛治が怪しい客人役を演じている。深田晃司監督は日本映画界で非常に貴重な日本らしさを排除した、まるでヨーロッパ映画の様な映画を作る監督だ。謎の客が、ドンドン人の心の隙間に入り込んでいくイヤーな感じは『ボーグマン

』を彷彿させられる。力関係がいつの間にか逆転していく緻密な脚本にノックアウトされた。

1.乱(1985)

鑑賞環境:Netflix
監督:黒澤明

黒澤明映画が苦手のブンブン、遂に和解!シェイクスピアの『リア王』を見事時代劇にトレース!そして何と言っても、今の日本映画では作り出すことのできない血生臭く、アーティスティックな戦国地獄絵図に「本当に人死んでいるのでは?」と思う程ハラハラドキドキした。No VFXで城が燃えて朽ちる様子を描く狂いよう、これはある意味特撮映画としても一級の代物でした。黒澤明堅苦しそう?と思っている貴方、Don’t think, feel!映画なので是非!

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