【ポーランド映画祭】で『早春DEEP END』再上映
1972年に日本で公開され、かつては地上波でも上映されていたが版権の関係で、長年輸入でも入手困難だった作品。イエジー・スコリモフスキ監督の『早春 DEEP END』。『映画秘宝 オールタイムベスト10』でも井口昇を始め何人かが入れており、ブンブンも病むえずナントカチューブで鑑賞したもののあまりの凄まじさにオールタイムベストに入れている作品だ。ついに、ついに、「早春」の上映用マスターがついに到着しました!!!
スコリモフスキ監督、エヴァ夫人にもご協力いただきながらも、
約10年、日本での権利取得にかかりました。
ポーランド映画祭での監督舞台挨拶付きプレミア上映(11/26)の後、
来年公開です!!! pic.twitter.com/1xG9SjLCfg
— マーメイドフィルム(映画の國) (@eiganokuni) 2017年11月6日
そんな幻のカルト映画が、『SHOAH
』やエリック・ロメール、ホセ・ルイス・ゲリン等の配給困難作を次々と配給にこぎ着けているマーメイドフィルムの手によって再配給。ポーランド映画祭2017にて上映後2018年1月にYEBISU GARDEN CINEMA他にて劇場公開が決まりました!!なんと版権獲得&配給まで約10年かかったとのこと。お疲れ様です!
ってことで、早速ポーランド映画祭に行って『早春 DEEP END』を拝んできました。
※映画自体の感想は以前アップした『早春 DEEP END』レビューをご覧下さい。
1時間前なのに30人待ち
10:00オープン10:15分上映なので、9:00くらいに東京都写真美術館に行きました。すると、既に30人程並んでいるではありませんか!そして、次々と人が集まり30分前には100人近い長蛇の列が出来ていました。ブンブンの映画オフ会仲間も結構来ていました。
爆音で観るべし究極童貞映画
劇場で再度鑑賞した『早春 DEEP END』。まず何と言っても、キャット・スティーヴンスの曲とのマリアージュが発狂レベルに凄まじい。肌に滴る血をバックにBut I Might Die Tonightが流れる時点で5億点。そして、幕が開ける童貞映画は「痛い、痛い!」と、動きがダサすぎるジョン・モルダー=ブラウン扮するマイクに自分の中学時代を重ねつつ応援したくなる。相手がポール・マッカートニーの元カノことジェーン・アッシャーだけに尚更だ。自分の理想像に、好きな女の子を合わせ、相手のことを考えず猪突猛進になる姿を公衆浴場、ポルノ映画館、ホットドッグ、そして「あるモノ」斬新なシチュエーションでコミカルに描く。
大爆笑だが、あまりに残念なマイクに哀しくなってくる。こんなに曲も演出もダサカッコよく、切ない映画を観たことがあるだろうか?これはブルーレイ発売されたら買う。いや立川のシネマシティ等で爆音上映があったらゼッタイ生きたい。やはりブンブンのオールタイムベスト入りは揺るがなかった。
カットされたシーン
上映終了後、イエジー・スコリモフスキ監督が登壇されQ&Aが始まりました。残念ながら今回は観客からの質問は受け付けていなかったが、MCの質問がナイスで非常に貴重なお話しを伺えました。
まず本作は5分カットされている。スコリモフスキ曰く、「素晴らしいシーン過ぎてカットした」とのこと。
そのカットされた場面は終盤のシーンにある。それはサウナに入る場面で、サウナの中には多数の労働者がおり、一人が「週休3日勝ち取ったら、週休4日を求めよう。週休4日を勝ち取ったら、週休5日を求めよう。週休5日を勝ち取ったら、週休6日を求めよう。そして水曜日に働こう。」というと、別の人が、「水曜日でいいの?隔週ではなく?」という。
実際試写会では大ウケだったが、これではラストシーンへのドラマツルギーが崩壊するから、やむえず切ったと笑いながら監督は語っていました。
公衆浴場のアイデア
本作撮影当時スコリモフスキ監督は若干のスランプに陥っていた。そんな最中、ネタ探しにイギリスへ行き、雪の中にダイヤを落としてしまい見つからなかった話を聞く。スコリモフスキは、それで終盤のあのシーンのアイデアを思いつき(ネタバレになるので伏せておきます)、それができる場所として公衆浴場を選んだとのことです。
最後に…
Q&A終了後、スコリモフスキは入り口で希望者全員にサインと写真撮影のサービスをしていました。ブンブンもスコリモフスキ監督とのツーショットを撮りました。彼の握手は重くずっしりとしており、感動しました。もし、ブンブンがペットでウサギを飼ったら「スコリモフスキ」と名付けよう!そして日本版ブルーレイが出たらゼッタイに買おう!そう決意した一日でした。
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