第6位:「ラ・ラ・ランド」
監督:デイアン・チャゼル出演:エマ・ストーン、
ライアン・ゴズリング、
J.K.シモンズetc
アカデミー賞で話題になったが、想像以上にトリッキーな作品であった。1930年代のバズビー・バークレー時代のミュージカルから、戦後それに影響を受けて出現したフランスや日本のミュージカル。そして巨匠が相次いで失敗した50年代ミュージカルの再生と、ミュージカル映画史全体を見事なまでに1本にまとめ切った力業に感服した。単に50年代ミュージカルの再生ではない。しかも、コッポラやスコセッシなどの巨匠が何故クラシックミュージカル映画の再生に失敗したかも見抜いた作りに脱帽せざる得ない。
第7位:「DENIAL(ツイン配給日本2017年公開予定)」
監督:ミック・ジャクソン出演:レイチェル・ワイズ、
トム・ウィルキンソン、
ティモシー・スポールetc
ドナルド・トランプ時代、共謀罪が強行採決されてしまう時代だからこそこの作品は観なくてはいけない。1994年頃から勃発した
ホロコースト否定論者であるデイヴィッド・アーヴィングと歴史学者のデボラ・E・リップシュタットの論争を描いた法廷劇。ブンブン、法廷劇は非常に苦手なのだが、本作はホラー映画として一級品。鳥肌が立ちました。明らかに、むちゃくちゃな理論を展開するホロコースト否定論者のデイヴィッド・アーヴィングが、何を言っても動じない。あまりに自信満々に議論をしていくもんだから、マスコミの注目が彼に集まる。焦るあまり、歴史学者は論理性を失い、ホロコースト否定論者に負けそうになる。狂人がなぜ、トップになれるのかがよくわかる。とにかく、今の社会が本作と寸分たがわない事態になっていることに驚愕した作品です。早く公開日教えてーツインさん!
第8位:「セールスマン」
監督:アスガー・ファルハディ出演:シャハブ・ホセイニ、
タラネ・アリシュスティetc
「セールスマンの死」と押し入りレイプもののとんでもない化学反応!正直、ポール・ヴァーホーベンの「ELLE エル
」より上手。イランって、国の検閲で映画が撮りにくい環境と聞いているだけに、本作の冒頭のあのシーン「どうやって撮ったの?」と驚く。社会派な作品にも関わらず、映像的驚きに満ち溢れておりブンブンは好きです。
第9位:「ハクソー・リッジ」
監督:メル・ギブソン出演:アンドリュー・ガーフィールド、
サム・ワーシントン、
テリーサ・パーマーetc
メル・ギブソン10年ぶりの監督作品もとんでもなかった!知られざる沖縄戦の映画化なのだが、余計な説明描写が皆無。シンプルに戦争による人々の狂気を描き切る!後半80分くらいの戦場描写は、「人…死んでいるだろう!」と思うほどにとんでもなかった…
第10位:娘よ」
監督:アフィア・ナサニエル出演:サミア・ムムターズ、
サレア・アーレフetc
日本初公開のパキスタン映画がすごかった。なんとって、「マッド・マックス/怒りのデス・ロード
」の1年前に全く同じ内容の映画がパキスタンで作られていたのです。部族から逃亡する母と娘がど派手なデコトラ乗って、クールガイと逃げる…まんまじゃん。しかも、「マッド・マックス/怒りのデス・ロード」級にスリリングで胸熱!知名度が低すぎるのがもったいない傑作でした。
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