ブリュッセル1080、
コメルス河畔通り23番地、
ジャンヌ・ディエルマン(1975)
Jeanne Dielman,
23 quai du Commerce,
1080 Bruxelles(1975)
監督:シャンタル・アケルマン
出演:デルフィーヌ・セイリグ
評価:95点
皆さん、ジャガイモ映画といえば何を思い浮かべるだろうか?
多くの人はマット・デイモン主演の
「オデッセイ
」を思い浮かべるであろう。
しかし、かつては
ジャガイモ映画と言えば、
「ブリュッセル1080、
コメルス河畔通り23番地、
ジャンヌ・ディエルマン(1975)」
のことをさしていた。
映画における時間的省略、
例えばある人が料理を始めた
と思ったら次のシーンでは
料理が完成していた
みたいな描写を廃しているのが
特徴的で、
ジャガイモをむいたり、
肉をこねたりするのを
A to Z魅せてくれる
ということで世界中の
クリエーターを刺激した
作品だ。
ハンバーガーを食べるだけの
動画は本作に影響されたとか。
今回、その噂の作品を
イギリスから輸入することに
成功したので感想を書いていきます。
「ブリュッセル1080」あらすじ
ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地に住む
ジャンヌ・ディエルマンの3日間
を追った物語。
女で一つで息子を育て、
息子が学校に行っている間は
娼婦として男からお金を
稼いでいるのだったが、
段々規則的生活にほころびがでて…
主婦は辛いよ
男性諸君、主婦って仕事も
せず楽なんじゃないかと思うかも
しれないが、本作を観ると
いかに大変かが分かる。
買い物に行き、
息子のために食事の支度をし、
そして生きるための日銭を
稼がねばならないので、
合間でベビーシッターから
売春までやる。
サラリーマン級に時間に
追われた生活を送っている。
しかし、彼女の生活に
「会話」はなく、息子ですら
宿題を教える意外の会話は
ない。
こんな退屈で抑圧された生活
いやだーと思う程に、
本作は長回しで
彼女の生活を投影するのだ。
わけではない。
似たような作品の
「ニーチェの馬」
と比べたら、本作は
「怒りのデス・ロード
」
レベルでアクションがある。
後半に行くに従い、
自分のテンポと社会のテンポが
あわなくなって切羽詰まってくる。
靴磨きは上手くいかず、
ベビーシッターで預かった
赤ちゃんは泣き止まない。
オキニのカフェに行くと、
いつもの特等席が
謎のババアに占拠されている。
フラストレーションをためてためて、
最後に大惨事となる。
「死ぬまでに観たい映画1001本」でも
退屈だ、体力がいると描いてあったが、
フツーに面白い。
むしろ、主婦の生活をのぞき見
しているようで楽しい映画でした。
日本ではDVDが出ていないので
気になる方は輸入しましょう。
英語字幕ですが、会話がほとんど
ないので問題ありませんよ。
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