カイエ・デュ・シネマ2016発表
フランスの老舗映画誌
カイエ・デュ・シネマが今年の
ベストテンを発表した。
カイエ・デュ・シネマのベストテンは
キネマ旬報や日本の映画評論家の
出すベストテンとは違い、
積極的にゲテモノや後のカルトが
ランクインすることが多く面白い。
あの「スプリング・ブレイカーズ
」を
入れたこともあるぐらいビザールな
ベストテンが期待できる。
今年は10本中8本がカンヌ国際
映画祭で上映された作品と、
異例なほどカンヌものに
傾倒している。
それでは1位からみて行きましょう!
もくじ
1位:ありがとう、トニ・エルドマン
(TONI ERDMANN)
監督:マーレン・アデ出演:Peter Simonischek,
Sandra Hüller etc
惜しくもカンヌ国際映画祭
主要部門を無冠で終えるものの、
批評家の推しが半端ない作品。
異国で暮らす女性の前に父が
現れて邪魔をする3時間の
老害ブラックコメディーだ!
日本での配給は決まっているので、
早ければ来年の6月ぐらいに
観られると思われます。
2位:エル(ELLE)
監督:ポール・ヴァーホーベン出演:イザベル・ユペール、
Laurent Lafitte etc
今年のカイエは、カンヌで無冠だった
ゲテモノを推す傾向がある。
ヴァーホーベンのゲテモノも
その一つだ。
強盗にレイプされた女の
心情変化を描いたブラックコメディーは
なんとアカデミー賞外国語映画賞カナダ
代表にも選ばれる熱量。
賞とは無縁なあらすじなのに、
何故評価されるのか気になるところだ。
3位:ネオンデーモン(THE NEON DEMON)
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン出演:エル・ファニング、
カール・グルスマンetc
ニコラス・ウィンディング・レフンの
フェチズム全開な作品。
観た人曰く、ストーリーはないに
等しく、とにかくフェティッシュな
映像に痺れるそうだ。
日本公開は2017年1月13日。
4位:アクエリアス(Aquarius)
監督:クレベール・メンドンサ・フィリオ出演:ソニア・ブラガ、
メイヴ・ジンキングス、
イランジール・サントスetc
これまたカンヌで無冠の作品。
立ち退きを迫られた老婆と
建設会社の明るく、でもねっとりと
陰湿な攻防戦に引き込まれる。
カッコイイラストに注目。
日本公開は未定。
5位:Ma Loute
監督:ブルーノ・デュモン出演:ファブリス・ルッチーニ、
ジュリエット・ビノシュ、
ヴァレリア・ブルーニetc
「プティ・カンカン」の成功に味を占めた
ブルーノ・デュモンがまたも挑戦する
デヴィッド・リンチっぽい寓話。
貧富、観光客と現地民の対立
軋轢をシニカルに、滑稽に
描いた作品。
日本ではアンスティチュ・フランセで
上映するか否かなので、
観たい人はよく動向を監視する必要がある。
6位:ジュリエッタ(Julieta)
監督:ペドロ・アルモドバル出演:エマ・スアレス、
アドリアーナ・ウガルテetc
賛否両論が極端に分かれているらしい
ペドロ・アルモドバル作品。
12年前に失踪した娘に会おうと
過去に向き合うという内容だが、
シンプルでストレートすぎる愛
表現に、分からない人は全然
理解できないのだそう。
7位:垂直のまま(Rester Vertical)
監督:アラン・ギロディー出演:Damien Bonnard,
India Hair etc
日本でも特集上映を組んだ方が良いほど、
フランスの批評家はアラン・ギロディー監督
大好きである。
羊飼いと男のビザールな恋愛ものです。
8位:ジャングルの掟(La Loi de la jungle)
監督:Antonin Peretjatko出演:Vincent Macaigne,
Vimala Pons etc
ガイアナのスキー場で事故が起き、
負の連鎖が起きる有様を描いた
コメディー。
カイエ・ドゥ・シネマのベストテンは
時折、えっつコレが?という
タイプのコメディーを選ばれることがあります。
9位:キャロル(Carol)
監督:トッド・ヘインズ出演:ケイト・ブランシェット、
ルーニー・マーラetc
「太陽がいっぱい」のハイスミスが
書いた、レズビアン小説の傑作の映画化。
とにかく、ケイト・ブランシェットと
ルーニー・マーラーの目や仕草で
表現する「愛」描写がすさまじい作品だ。
10位:夢が作られる森
(Le bois dont les rêves sont faits)
監督:クレール・シモンパリの都市生活から離れ、
ヴァンセンヌの森で
静かに暮らす富めるフランス人や
貧しいフランス人、移民やゲイなどを
インタビューしたドキュメンタリー。
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