ドローン・オブ・ウォー(GOOD KILL)
監督:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク、ジャニュアリー・ジョーンズetc
評価:80点
ラジコンのように操作できる遠隔操縦機が
秋葉原等で気軽に買え、
問題視されているドローン問題。
既にアメリカでは兵器として使われており、
スーダンやイラクといった紛争地帯に
アメリカの個室から爆撃できるようになった。
死の商人を描いた「ロード・オブ・ウォー」
以来10年ぶりにアンドリュー・ニコル
監督が描き出したドローン問題映画
それが「ドローン・オブ・ウォー」だ。
平和でもPTSD(心的外傷後ストレス障害)に…
以前、当ブログでも紹介した「アメリカン・スナイパー」
という作品がある。
戦場の地獄と天国である家族の元を行き来するうちに
生きるのが辛くなってどんどん精神崩壊していく
様子を描いていた。
「ドローン・オブ・ウォー」でも全く同じことが描かれている。
ラスベガスに家を構え、毎日家族の元に帰れる男。
しかし、遠隔操作で敵を倒す仕事に疑問を抱き始める。
たまたま見つけた強姦男。女をいじめて酷い目に
遭わせている男は命令外なので殺せない。
しかし、テロリストの近くにいる民間人、
女や子どもは「しょうがない」とされ
殺すよう命令される。
命令に従わないと不服罪に問われる為、
仕方なく殺す。
毎日、密室で長時間待たされ、
殺すのは罪なき人々。
元々パイロットで、左遷先がここだったが故、
酒におぼれていく恐怖が描かれていく。
戦地の音声が聞こえない為、
コンテナという密室で淡々と指令をこなすだけである。
しかし、画面の奥で見える景色にぐさりとくる。
ミサイル発射ボタンを押す。10秒後にターゲットは
爆発するが、丁度少年が通りかかる。
「あっちいけ!」と念じても伝わらない。
任務上死体の数も報告しないといけないため、
むごい。爆発された場所には、
ふきとんだ手が転がってたりする為
本当に身の毛がよだつ思いだ。
血みどろなシーンこそ少ないが、
R-15になるのもよく分かる、
観客の想像力でドンドン
観るのが辛くなってくるのだ。
「アメリカン・スナイパー」に
比べたら遙かに地味だが、
家に帰るまでがこれほどまでに
地獄だと分からせる作品は少ないであろう。
是非とも主人公が何故「帰りの高速道路」が
一番怖いのかを考えて観ることをオススメする。
きっと「アメリカン・スナイパー」で
主人公が家に帰りたがらない理由が
わかるぞ。
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