評価

2021映画

【アフリカ映画】『IN THE NAME OF CHRIST』コートジボワールの不穏すぎる儀式

豚を仕留めようとする男。彼はナイフを研ぎ、そろりそろりと豚に近づき殺めようとする。しかし、豚におしっこをかけられてしまう。それを見ていたチンピラがケラケラと笑い、村人の女性からも見下しの目が注がれる。学校でクラスメイトから笑われる羞恥の厭らしさを伝えるのに十分な笑みが画面を木霊する。

怒れる男は森の中で暴れている。自ら儀式を行なっているようだ。しかし、『メートル・フ』で描かれるガーナ・ハウカ運動のように異常な動きを行う主人公に観る者は恐怖を覚えることでしょう。『オーディション』で突然動き始める袋のような気持ち悪さがあります。そうこうしていると、子どもの霊が現れ次のように告げる。

「この世は酷い、貴方が世界を平和に導いてください。」

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【ネタバレ考察】『無頼』井筒和幸のジャパニーズマン

マーティン・スコセッシがギャングのクロニクルを『アイリッシュマン』でスタイリッシュに描いていた。日本では今『ヤクザと家族』、『すばらしき世界』、『孤狼の血 LEVEL2』と空前のヤクザ映画ブームとなっているが、そこに井筒監督は重厚なクロニクルとして『無頼』を置いた。アイリッシュマンに対して、これがジャパニーズマンであると言いたげに。

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【アフリカ映画】『アフリカン・カンフー・ナチス』ヒトラーと東條英機がガーナで大暴れ!

さて、ガーナアーリア人補完計画を進めるヒトラーと東條英機の横で、現地の空手稽古場が映し出される。遅刻してきた男が、罰を受けている中「今日の稽古の結果を見て試合出る人を選抜するぞ」とマスターが語り稽古が始まるのだが、そこで映し出されるものが本格的だ。イップマンシリーズで登場する、木の柱を使った練習に、瓦割りといったものをスタイリッシュなカット捌きで描く。当の遅刻してきた男に対する罰もジャッキー・チェン映画やショウ・ブラザーズ映画でよく見かけるものだったりする。後半になると、酔拳を学ぶシーンがあったりと稽古のバリエーションが豊かなのである。想像で描かれるなんちゃって空手映画とは趣きが異なる。この手の映画を十二分に研究した形跡があるのだ。それだけに映画全体から漂う、自主制作のポンコツ感との不協和音が凄い。

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『サイコ・ゴアマン』サイコ・ゴアマンも領域展開したい!

ミミ(Nita-Josee Hanna)とルーク(Owen Myre)は「クレイジーボール」と呼ばれる謎のドッヂボールで遊び狂う活発兄妹。時間があれば外で荒れ狂い、厨二病まっしぐらな二人は庭先で謎の石を掘り起こす。そのせいで宇宙最凶の怪物を復活させてしまうのだ。かつて、銀河を破壊しようとし地球に封印された彼が復活してしまった為、宇宙連合は混乱し、どうやって始末しようか作戦会議が開かれる。

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【ネタバレ考察】『クラッシュ 4K』不思議の国のアリスの構造に耽溺するアリス

高速道路が映し出される。車はA地点からB地点にまっすぐ向かおうとしている。社会のシステムから逸脱することを許さないように従順である。そこに、カリスマ的交通事故マニアであるヴォーン(イライアス・コティーズ)は、まるで男女が交わる時のピストン運動のように、右へ左へと肉体的動きを車に宿し、煽り運転しながら欲情する。交通事故で、肉体に金属を埋め込まれ、自由な動きをする肉体が制御されていく様子。車の屋根が閉まる動作に併せて乳房がボロンと開く機械の動きと連動する肉体。そして、交通事故を通じて、制御された機械が制御できないひしゃげ方と煙の噴出が生まれる様子に快感を覚える姿にそれが見えてくる。

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『プロミシング・ヤング・ウーマン』ナイスガイよさらば

クラブで女(キャリー・マリガン)が泥酔している。そんな彼女を遠くから男たちがニヤニヤと品定めしている。そして男が一人近づいて「家まで送ろうか」と優しい声をかけてタクシーに乗り込む。男は下心があるので、彼女を自宅に呼び込み、度数の高いであろうオレンジ色の酒を飲ませ、さらに泥酔させようとする。そして、彼女が「もう好きにして」とベッドで大の字になっているところに、彼が行為を始める。すると、むっくり彼女は起き上がり、シラフの顔で「テメェ何しているんだ?」と問い詰める。ナイスガイのふりをして近づいていく男の化けの皮が剥がれる瞬間を見計らって問い詰める処刑を人生の生業にしているのだ。そんな彼女の手帳にはびっちりとかつて抹殺してきたであろう男をカウントする線が引かれており、彼もその餌食となった。