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2021映画

【カンヌ国際映画祭特集】「ドライブ・マイ・カー(原作)」人は誰しも演技する

本作を読んでいる時、「いつ書かれた作品だ?」と背表紙を見て絶望した。そこには「2013年」と書いてあったからだ。2010年代はスマートフォンとSNSの台頭で老若男女世界中の情報が洪水のように我々を呑み込んでいった。これにより、世界中の社会問題も明るみに出て、抑圧される女性像も世界中に伝播し、少しずつ「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から解放する動きが活発となっていった。村上春樹は「海辺のカフカ」で、図書館のトイレを通じて公共とジェンダーの関係について論じていた。「ドライブ・マイ・カー 」も恐らくは、意図的に女性蔑視を描いているのだと思う。だが、その癖が強すぎるもとい少し古くて拒絶反応が出てしまった。