感想

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【ネタバレ考察】『カランコエの花』先生よ、それは責任を生徒に押し付けているだけだ

何気ない高校のとある教室。生徒たちは談笑していた。どうやらイケメン物理教師が来るらしい。女子グループはソワソワとしていた。そんな中、突然担任の教師がLGBTについて講義を始めた。何故かこのクラスにだけ。次第に、その違和感は「このクラスにLGBTの人がいるかもしれない」と疑心暗鬼になりいがみ合いが始まってしまう。

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【CPH:DOX】『MISHA AND THE WOLVES』あの名作はフィクションだった

皆さんは「少女ミーシャの旅」をご存知だろうか?ベルギーの作家ミーシャ・デフォンスカの自伝的小説で、ナチスに親を奪われた彼女が狼に助けられながら逃げる感動的な話である。18ヶ国語に翻訳される程のベストセラーとなり、2007年には『ミーシャ/ホロコーストと白い狼』という題で映画化された作品だ。

しかしこの本は自伝ではなく、実はフィクションであった。本ドキュメンタリーは、彼女の本を出版したジェーン・ダニエルがことの真相に辿り着くまでの過程をドラマティックに描いたドキュメンタリーである。恐らく、今後劇映画化させるであろう壮絶な内容である一方、ネタバレ地雷原なので、ここでは最小限に留めて感想を書いていきます。

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【CPH:DOX】『プレジデント/PRESIDENT』正義を蹂躙する不正義

国民の不満が爆発し2017年にクーデターが勃発し、市民はムガベ大統領を倒した。この国に平和が訪れたかに思えた。本作の始まりは、時期大統領戦の中盤戦から始まる。若きリーダー、ネルソン・チャミサはムガベ大統領時代の政治腐敗から脱却し、人々をよき方向に導こうとしている。積極的に、各地を巡り演説をしている。そのカリスマ性もあって大人気だ。

しかし、既に腐敗しきっているジンバブエではトップが変わっただけではそうそう簡単に悪事から足を洗うことができない。選挙の投票結果をしっかり監視していないと、票が盗まれたり、短時間にありえない数の得票が集まったりするのだ。

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【MUBI】『荘園の貴族たち/MALMKROG』貴族のマウント合戦に参加しないか?

本作は偶然にもコロナ禍とリンクしており、前作『シエラネバダ』では狭い部屋に何人もの人を密集させてルーマニア史における世代断絶によるヒリヒリとした会話と遅々として進まない物事が描かれてきたのに対してこの『MALMKROG』では終始ソーシャルディスタンスを取りながら同様の属性違いによる意見の対立とマウント合戦が描かれていく。間合いを取り、終始絵画的構図を作っていく人間の配置の美学に圧倒される一方で、展開される哲学的な議論は非常に難解で一度観ただけではわからないところも多い。内容と歴史背景に関しては他の方に考察を譲りたいと思う。

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【ネタバレ考察】『水を抱く女』初めて見たよそんな心臓マッサージする人を

博物館でベルリンの都市計画について解説する女性ウンディーネ(パウラ・ベーア)はヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)から別れ話を振られて悲しみに暮れていた。そんな彼女は、カフェでクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)と出会い恋に落ちるというシンプルな話ながらも独特な演出が唯一無二の物語を紡いでいく。

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『JUNK HEAD』本作最大の敵、それは「字幕」だ!!

孤高のクリエイター・堀貴秀が独学で7年の歳月をかけて制作し、カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞するなど世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを堀監督が1人で担当し、総ショット数約14万コマという膨大な作業を経て完成させた。環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。

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【CPH:DOX】『シリア・ドリーム ~ サッカーにかけた未来』青春の蹉跌、翳りは続くよどこまでも

まだ言葉もおぼつかない妹に対してキツく英語を教えるFawzi。彼はシリアの難民キャンプZa’atariで暮らしているが未来が見えてなかった。唯一の武器はサッカー。サッカー選手になることで自由を手にしようとストイックに練習していた。もうすぐ、千載一遇のチャンスがやってくる。試合でいい結果を残してスカウトされれば自由が手に入る。意識高い系の彼は、焦燥の翳りを見せながらも来たる日を待っていた。

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【CPH:DOX】『JUST A MOVEMENT』ゴダール『中国女』をセネガルでリメイク

本作は、『中国女』が持つ力を信じ、本作をリメイクすることで、歴史のアーカイブ、思想の継承を行おうとするプロセスを描いている。セネガル映画史にとって、映画は非常に重要なメディアである。あのアフリカ映画の父センベーヌ・ウスマンは小説では、大衆に思想を啓蒙することは難しいと考え、映画に転向していった。識字率の問題や言語の問題を乗り越えるツールとして、視覚メディアである映画が重要視されてきた。