【 #サンクスシアター 14】『永遠に君を愛す』愛の惑い/永遠への不安
永遠に君を愛す(2009) 監督:濱口竜介出演:河井青葉、杉山彦々、岡部尚、菅野莉央、小田豊etc 評価:75点 おはようございます、チェ・ブンブンです。 Mini-Theater AIDのリターンであるサンクスシアター…
永遠に君を愛す(2009) 監督:濱口竜介出演:河井青葉、杉山彦々、岡部尚、菅野莉央、小田豊etc 評価:75点 おはようございます、チェ・ブンブンです。 Mini-Theater AIDのリターンであるサンクスシアター…
映画は学生運動の結果、軍に拘束されてしまった状況を再現し、白黒写真へと変換していく。さらにはインタビューの内容を再現したりと、ドラマとして再現したりとありとあらゆるフォーマットを使って自在に行き来する。さらには、魔法のキノコやサイケデリックな映像、デヴィッド・リンチばり(明らかに『ロスト・ハイウェイ』を意識した場面がある)の怪しげな空間に包み込んでいくためプロットを追うのは至難の業だ。
バークリーショットで机に座るデイヴィッド・バーンが映し出される。バークリーショットといえば、今やミュージカル映画のクリシェであり、多くの映画が盲目的に丸を形成するのだが、本作では中心に四角い机を配備し、視点の中心にプラスチックの脳みそが見えるように画を作り込んでいる。
1曲目は”Here”だ。鎖が光とともに迫り上がる。
「ここは情報が詰まっている領域」
「ここは滅多に使われない領域」
と脳みその部分を示しながら講義が始まる。脳内の自分の居場所を探す旅が提示され、このパフォーマンスの芯の一部が提示される。
仄暗いバーのような空間をゆっくりゆっくりと360度パンさせながら、怪しげな男にフォーカスがあたる。彼は、レソトのとある物語を語りはじめる。ダムの建設で失われつつある村。宇宙人のようにも見える黄色い作業着を身に纏った男たちが不気味に画面に映り込む。そして、それを凌駕するようにMantoa(Mary Twala) の大樹のように深みのある彫りと反射が特徴的な悲愴顔が画面を支配する。このおばあちゃんは、村人が故郷を諦め新天地を探そうとすることに抵抗する唯一の婆さんとして登場する。子どもたちは皆死んだ。自分の人生もそんなに長くない。しかし、レソトの記憶毎ダム建設によって死んでしまうのはいかがなものか?彼女は喪服を着て、村人の前に立ち圧をかけ、孤独の戦いに挑む。しかしながら、時は刻々と前へ突き進んでしまう。
ある学生(2012)Student 監督:ダルジャン・オミルバエフ出演:ヌルラン・バイタソフ、マヤ・セリクバエワ、エディゲ・ボリスバエフ、バヒトジャン・トルダリエワetc 評価:95点 おはようございます、チェ・ブンブン…
レフ・トルストイの「アンナ・カレーニナ」を現代カザフスタンに置き換えて映画化した『Chouga』が2010年のカイエ・デュ・シネマ年間ベストにて9位に選出されたことからご存知の方も多いでしょう。しかし、カザフスタン映画だけあってか彼の作品の観賞難易度はSSRである。インターネットで調べるとカザフスタンのタルコフスキーというあだ名がついているらしくめちゃくちゃ面白そうなのでここ数年ずっと探していてついに見つけました。フランス版MUBIで発見しました。しかも東京国際映画祭で上映された『ある学生』 も配信されていました。ただ、字幕はフランス語字幕のみ。こういう時、フランス語やっていて良かったなと思う。さて今回紹介する『THE ROAD』はNHKが製作に関わっているにもかかわらず映画祭で上映されたきり日本公開されなかった幻の作品です。これがとてつもなく傑作でありました。
あとのまつり(2009)What’s Done Is Done 監督:瀬田なつき出演:中山絵梨奈、福田佑亮、仲野太賀(太賀)etc 評価:85点 おはようございます、チェ・ブンブンです。 Mini-Theat…
正直、『アンカット・ダイヤモンド』が登場した今考えると、本作の修羅場修羅場の釣瓶打ち映画としてはワチャワチャし過ぎてそこまで評価は高くない。ましてや『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』を引用しているという点でも、どうしてもジョン・カサヴェテスの舐めるような撮影に劣る部分がある。しかし、それでもウィレム・デフォーの常時ガンギマリな演技は大迫力である。
本作は、今まで観てきたコナン映画の中でトップクラスにぶっ飛んでいる作品と言える。冒頭から、「WSG ワールド・スポーツ・ゲームス」のセレモニーで鈴木園子の父が誘拐される事件が勃発する。すると待ってましたと言わんばかりに吉田歩美、円谷 光彦、小嶋 元太の三人、通称:少年探偵団が先陣を切って推理を始める。いつもは食い意地係としてしか機能していない元太が、鰻の匂いを嗅ぎ分ける特殊能力を使って父を救出するファインプレーを魅せつけるのだ。こうしていくうちにFBIや赤井一族を巻き込んだ陰謀戦が始まる。
夫(オダギリジョー)が交通事故で亡くなるものの、謝罪なしに政治的にもみ消されて早七年のところから始まる。そこから展開されるのは、新型コロナウイルスによってカフェが廃業となり、妻・田中良子(尾野真千子)は量販店で花を売りながらマネージャーにパワハラされ、風俗店でも客から暴言を吐かれながら日銭を稼いでいる。息子・純平(和田庵)は学校で先輩にイジメられている。