骨嚙み(2021)
監督:矢野ほなみ
評価:85点
カンヌ監督週間の短編部門に矢野ほなみ『Eri』が出品されたので、過去作『骨嚙み』をプライム・ビデオで鑑賞した。
『骨嚙み』あらすじ
「頭山」の山村浩二に師事し、テレビアニメ「TRIGUN STAMPEDE」のエンディングアニメーションも手がけるなど活躍するアニメーション作家の矢野ほなみが、2年の歳月をかけて完成させた短編アニメーション。日本のとある小さな島を舞台に、父親のお葬式で少女が思い出す、父と過ごした最後の夏を描く。
第45回オタワ国際アニメーション映画祭の短編部門でグランプリを受賞、第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で新人賞を受賞するなど、国内外で高く評価された。山村浩二監督の長編「幾多の北」とそのほかの2本の短編とともに「『幾多の北』と三つの短編」(総上映時間:90分)と題して劇場公開。
悪夢的記憶、シニャックに忍ばせ
本作は父のお葬式の日に子どもが思い出を回想するといったシンプルな内容。だが、演出は唯一無二といっていい程に尖っている。ポール・シニャックを彷彿とさせる点描でシームレスに時空間を超越していく。魚眼レンズのような歪みを舐めるように顔のクローズアップから主観へと切り替えていき、悲しみと不気味さが入り乱れる空間を形成している。そしてタイトルにもなっている『骨嚙み』の場面ではシニャックというよりかはフィルムのノイズのような質感へと変わり、非言語的情緒を見事に捉えている。これはカンヌでの活躍に期待が高まります。









