キカ(2025)
Kika
監督:アレックス・プキン
出演:マノン・クラベル、マキタ・サンバ、スザンヌ・エルバズetc
評価:50点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第38回東京国際映画祭にて上映される『キカ』を観た。ベルギー映画ということで若干ダルデンヌ兄弟の質感を抱く作品であった。
『キカ』あらすじ
シングルマザーのキカは、子どもを育てながら社会福祉の仕事に従事している。だが、長く付き合っていた恋人が突然亡くなったことで、キカの生活は一変する。恋人を失った悲しみのなか、第二子の妊娠が判明。経済的にも精神的にも追い詰められたキカは、性風俗の仕事に足を踏み入れる。ヒロインの葛藤を描きつつ、貧困やモラルについての問題を投げかける作品。カンヌ映画祭批評家週間で上映。
そして私はこの仕事へ
カンヌ国際映画祭批評家週間で上映されたアレックス・プキン初長編監督作品は、映画祭映画にありがちな不幸陳列罪的な作品であり、視点こそ重要ではあるが個人的にそこまでハマらないものがある。しかし、音楽の扱いに関して観ると今後期待するものがある。エレクトロ系の高揚感あるサウンドでヒロインの幸福な空気感を表現する。しかし、ドミノ倒しのように恋人の死、第二子の妊娠、それによる困窮が襲い掛かって来る。やつれた顔を隠すようにメイクをし性風俗の世界へと足を踏み入れていく。ノーメイクで在ろうやつれた顔と、性風俗で働く際の着飾った顔。この対比は、どこか『女が階段を上る時』を思わせるものがある。しかし、ノット・フォー・ミーな感覚は最後まで拭い去れなかった。
※第38回東京国際映画祭より画像引用