中国の鳥人(1998)
監督:三池崇史
出演:本木雅弘、石橋蓮司、マコ岩松、王麗黎、奥田智彦、港雄一、吉瀬美智子etc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
先日、TSUTAYA浅草ROX店の中古セールで三池崇史が中国ロケをした『中国の鳥人』を観た。今となってはワーナーの白羽の矢要因として、変な映画ばかり作っていますが、この頃は丸紅製作で総合商社のロマンを描く作品を撮っていたようです。とはいえ、途中から三池崇史映画であることを隠しきれない作品であった。
『中国の鳥人』あらすじ
商社に勤めるサラリーマンの和田は、入院した同僚に代わって専門外の翡翠の輸入契約の為に、中国の雲南省へ出張することになった。ところが、現地の案内人である沈に会えて一安心したのも束の間、なんと会社に貸しがあるというヤクザ・氏家が現れ、無理矢理同行を迫ってきた。彼は翡翠鉱脈の取引を見張りに来たのだ。こうして、ミャンマーとの国境近くにある少数民族の村への3人の旅が始まった。長い道のりは悪路続き、徒歩での山越えや突然の嵐、亀に引かれる筏下りが3人を待ち受けていた。しかも、幻覚を起こすキノコを食べて大騒ぎしたお陰で、沈が記憶喪失になってしまう。それでも、3人はなんとか目的の村へ到着することが出来る。若い村人は文明の使者である3人を歓待してくれるが、長老は渋い顔をしていた。
三池崇史の意外なお仕事映画
同僚に代わって中国へ出張することになった男・和田(本木雅弘)は、怒涛のような仕事。そして単身スパイのように海外へ行くロマンをテープに刻み込む。すると列車の中から音楽がなり、中国人に絡まれる。中国の間合いの近さの洗礼を受けた彼は目的地へと急ぐのだが、道中でヤクザに絡まれ、頼りない通訳と共に秘境を目指す。その秘境では鳥人間の文化があり、次第に彼は少数民族のこの文化へと惹かれていく。
一見すると総合商社が海外を飛び回り販路を開拓したりミッションを攻略していくロマンを描いた作品に見える。実際に丸紅が製作に入っており、総合総社を目指す大学生を取り込もうとしたPR映画の側面もあるだろう。しかしながら、段々と雲行きが怪しくなる。というのも、突然薬物にトリップし始めたり、銃を使ったドンぱちが行われるのである。しかも、途中から明らかに『アギーレ/神の怒り』や『地獄の黙示録』などといったいわゆる「闇の奥」ものへと発展していき、さすがにそうはならないだろうと思わずにはいられない。それでも脂の乗った三池崇史映画なので、終始爆笑滑稽な楽しい作品であった。
※映画.comより画像引用