【ゴダール特集】『ありきたりの映画』個とイデオロギー

ありきたりの映画(1968)
UN FILM COMME LES AUTRES

監督:ジャン=リュック・ゴダール(ハンス・リュカス)

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ジガ・ヴェルトル集団時代のゴダールを追っている。今回は『ありきたりの映画』を観た。

『ありきたりの映画』あらすじ

68年5月から7月の間にイーストマンコダックのエクタクロームカラー16mmフィルムで、学生たちに占領されたソルボンヌ大学や封鎖中のバリケード付近、CRS(フランス共和国保安機動隊)との激突場面などをゴダールとルプシャンスキーが克明に記録。同時期にモノクロフィルムで撮影されたアーカイヴ・フッテージを交えて構成されている。ゴダールが単独で演出、編集を手掛けたが、同年にゴダールがジャン=ピエール・ゴランと結成した「ジガ・ヴェルトフ集団」名義の第一回作品となった。

※アンスティチュ・フランセより引用

個とイデオロギー

労働者、労働組合、経営者の関係について原っぱで若者たちが議論をしている。労働組合の欠点を指摘した上で革命の重要性を訴える。これは個人の意見であるのだが、映画は遠巻きに顔を映さないようにしている。それにより、イデオロギーに個が取り込まれていく様子が強調されていく。自由意志が存在せず、必ず誰かの影響から成立している抽象的な概念を画で的確に捉えていく。このプロセスが非常に興味深かった。