【Netflix】『マエストロ:その音楽と愛と』ブラッドリー・クーパーは技術力こそあるが…

マエストロ:その音楽と愛と(2023)
Maestro

監督:ブラッドリー・クーパー
出演:ブラッドリー・クーパー、キャリー・マリガン、ミリアム・ショア、マヤ・サーマン=ホーク、マット・ボマーetc

評価:20点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Netflix映画とは相性が最悪なので、敬遠しているのだが、レナード・バーンスタインの人生をプライベート中心に描くアプローチが気になり観た。これがあまりにも退屈で、年末に衝撃走る一本となった。

『マエストロ:その音楽と愛と』あらすじ

「アリー スター誕生」で監督としても高く評価された俳優ブラッドリー・クーパーの長編監督第2作で、「ウエスト・サイド物語」の音楽などで知られる世界的指揮者・作曲家レナード・バーンスタインと女優・ピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインがともに歩んだ激動の人生と情熱的な愛の物語を、バーンスタインの雄大で美しい音楽とともに描いた伝記ドラマ。

クーパーがレナードの若き日々から老年期までを自ら演じ、「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンがフェリシア役を務める。共演はドラマ「ホワイトカラー」のマット・ボマー、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のマヤ・ホーク。クーパー監督と「スポットライト 世紀のスクープ」のジョシュ・シンガーが脚本を手がけ、製作にはマーティン・スコセッシ、スティーブン・スピルバーグが名を連ねる。

2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。Netflixで2023年12月20日から配信。それに先立ち12月8日から一部劇場で公開。

映画.comより引用

ブラッドリー・クーパーは技術力こそあるが…

ブラッドリー・クーパー自身の技術力は『アリー/スター誕生』から手数が増えている。白黒パートの演出は想像以上に良く、時空間を移動するようなショットを通じて混沌としたレナード・バーンスタインの心理を表現したり、舞台上での高揚感の中で妻との心理的距離が遠ざかっていく様子を描いたり興味深いものがあった。ヴェネツィア国際映画祭の時の批評家レビューからイメージしていた、色彩をコントロールできない技術力のなさを誤魔化すためだけに白黒が適用されているといった感じではなかったのは良かった。

しかしながら、全体的に散漫な作りとなっており、レナード・バーンスタインを巨匠の立場から一般化し、よくあるクズ男話に変えてしまったことも相まって退屈を極めてしまっていた。なによりも、彼の楽曲やクラシックを醤油のようにドバドバ、雑に注ぎ込む様子の下品さに腹が立ってきた。基本的にNetflix映画は引き算がないのだが、まさしく本作は足し算、掛け算だけでできており、白黒から無意味にカラーを選択することまでやってのけてしまう。

ブラッドリー・クーパーはテクニックを絞ったら良いルックの作品が作れると思っているだけに、今回は酷かったと落胆している。

※映画.comより画像引用