【MUBI】『HELEN』事件の面影を追って

HELEN(2008)

監督:Joe Lawlor, Christine Molloy
出演:ANNIE TOWNSEND、SANDIE MALIA、SONIA SAVILLE etc

評価:85点


おはようございます、チェ・ブンブンです。

MUBI特集配信に合わせて、いくつかピックアップして観たのだが『HELEN』がかなり面白かった。

『HELEN』あらすじ

When an 18 year-old girl named Joy goes missing, Helen is asked to “play” her in a police reconstruction that may help solve the case. When she finds out that Joy had all the things missing from her life—parents, a boyfriend, a future—Helen immerses herself in the role and her life begins to flower.
訳:18歳の少女ジョイが行方不明になったとき、ヘレンは事件解決に役立つかもしれない警察の再現ドラマでジョイを “演じる “よう依頼される。両親、ボーイフレンド、将来……彼女の人生から失われたものすべてをジョイが持っていたことを知ったとき、ヘレンはその役に没頭し、彼女の人生に花が咲き始める。

MUBIより引用

事件の面影を追って

失われた時を求めるかのようにスローモーションで美しい空間を歩いていくところから始まる。冷たい質感で警察による状況説明が行われる。行方不明になった女ジョイの足取りを再現するようにヘレンは演技をしていく。本作は、事件の足取りを捉えるためのスローモーションの使い方に光るものがある。我々も過去から何か情報を得る時、他者の状況を脳内にシミュレーションする。自分事にして考えていく。その感覚を映像で表現する場合、ゆったりとした時間が必要である。回想に頼らず、空気感で足取りを捉えていく描写が美しくJoe Lawlor, Christine Molloyは注目したい監督となった。

※MUBIより画像引用

created by Rinker
ネコ・パブリッシング