【ネタバレ】『マジック・マイク ラストダンス』なんだ、このファム・ファタールは?

マジック・マイク ラストダンス(2023)
Magic Mike’s Last Dance

監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:チャニング・テイタム、サルマ・ハエック、アユブ・ハーン=ディン、ジェメリア・ジョージetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

チャニング・テイタムが男性ストリッパーとして活躍するシリーズ最新作『マジック・マイク ラストダンス』が公開された。監督は1作目と同じスティーヴン・ソダーバーグ。このシリーズは一見、豪華絢爛マッチョダンスが観られるだけの作品に思えるが、キャリアの淵に立たされた男の苦悩がダンスに染み出す演出が光る作品となっていて大好きである。特に2作目の『マジック・マイクXXL』における、コンビニでのダンスシーンはオールタイムベストに入るほど熱い場面だと感じている。当然ながら、初日に観に行ったのだが、これが変わった作品であった。

『マジック・マイク ラストダンス』あらすじ

男性ストリップダンスの世界とその裏側をチャニング・テイタム主演で描いたヒット作「マジック・マイク」のシリーズ最終章となる第3弾。第1作を手がけたスティーブン・ソダーバーグ監督が再びメガホンをとり、主人公マイクの人生をかけたラストダンスを描き出す。

元ストリップダンサーのマイクは破産して全てを失い、現在はバーテンとして働いていた。そんなある日、彼は資産家の女性マックスと出会い、ある依頼を受ける。依頼内容は、ロンドンの歴史ある劇場で一夜限りのストリップステージを成功させることだった。人生の再起をかけてロンドンへ向かったマイクは、さまざまな思惑を抱える人々から反発を受けながらも、世界中から集まったダンサーたちとともに人生最後のショーを成功せさるべく奮闘する。

資産家マックス役に「エターナルズ」「フリーダ」のサルマ・ハエック。

映画.comより引用

なんだ、このファム・ファタールは?

ストリッパーは引退し、家具事業はパンデミックで立ち行かず、バーテンダーとして細々と暮らしている男マイク(チャニング・テイタム)の前に謎の女メンドーザ(サルマ・ハエック)が現れる。彼女はなぜか、マイクがストリッパーだったことを知っており、執拗に踊ってほしいと懇願する。彼女の話術に乗せられ、踊ることになるマイク。ここで6千ドルのダンスを魅せられる。まず、家具をチェックし始め、ダンスで使えそうかどうかを判断する。花瓶の配置を変え、彼女に強めの酒を飲ませ、椅子に座らせると、グイッと腰を蛇のように動かし始める。そして官能的で魅力的なダンスを始める。さっきまでダランとしていた肉体が水を得た魚のように動き回るのである。彼女はすっかり彼のガチ恋勢となり、勢いでロンドンのイベント企画の振り付けを彼に依頼する。

明らかにファム・ファタールもののプロットであり、この場合マイクは堕ちていくはずなのだが、なぜか全編通して無傷なのだ。メンドーザが貴族なりの政治関係で勝手に自滅していく中で、マイクが「なんだこの女?」と思いながらショーを完成させていくのである。このメンドーザの行為がいちいち狂っているのだ興味深い。例えば、ショーの営業許可が降りない事態となる場面がある。彼女は誰が承認印を押せるのかを把握しているため、そのターゲットがバスに乗ったタイミングで、マッチョを大量に送り込んでストリップダンスをさせる。メロメロになった彼女は営業許可の承認をする。そんなわけあるかといったストーリーテリングに爆笑である。また、マイクが仲間にzoomで近況報告する場面があるのだが、全員「頑張ってこいよ!」と熱いコメントを残しているのがジワる。

結局、ステージで展開されるクールで活かしたダンスショーというのが、メンドーザの性癖と私情の塊であり、雨が降る中マイクが踊る演目が、まさしく彼との初体験の再現という狂いように爆笑だ。娘もちゃっかり観ていて、エロいダンスの場面だけ、執事が彼女の目を隠すみたいなやたらと細かい芸も魅せてくれて大満足であった。

※映画.comより画像引用

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