【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『成功の甘き香り』上昇への渇望は地に打ちのめされる

成功の甘き香り(1957)
SWEET SMELL OF SUCCESS

監督:アレクサンダー・マッケンドリック
出演:トニー・カーティス、バート・ランカスター、スーザン・ハリソン、マーティン・ミルナー、バーバラ・ニコルスetc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のフィルムノワール『成功の甘き香り』を観ました。

『成功の甘き香り』あらすじ

ブロードウェイのプレス・エージェント、シドニー・ファルコ(トニー・カーティス)は自分の成功のためには良心をさえ切り売りすることをいとわない。自己の勢力を伸ばすため、その彼を巧みに利用してきたのが、ブロードウェイに大きな勢力をもつジャーナリスト、J・J・ハンセッカー(バート・ランカスター)である。

映画.comより引用

上昇への渇望は地に打ちのめされる

本作は、ニューヨークの喧騒、活気あふれるストリートから始まる。新聞が印刷され、売店に配られる。それを威勢良く売り捌く男がいる。彼から新聞を引ったくるように買い、立ち飲み屋で読む。そして、捨ててある男は帰路に着く。どうやら、自分の書いた記事が掲載されなかったようだ。この男シドニー・ファルコ(トニー・カーティス)の目的は大物ジャーナリストJ・J・ハンセッカー(バート・ランカスター)の妹を破滅へと導くことだ。手段は選ばない。良心もない彼の上昇志向がニューヨークの都市空間に反映されている。階段の上方を見る眼差しが、やがてニューヨークの街を見下ろす視点へと変わっていく。フィルムノワールなので、地に堕ちるのは定石である。喧騒した地をゴキブリのように這いずり回っていた彼が、閑散としたニューヨークの地でフルボッコにされていく。栄枯盛衰を高低の作劇で描いたところにこの映画の魅力は詰まっていることでしょう。

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※MUBIより画像引用

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