『学校の怪談』仄暗い学校の教室から

学校の怪談(1995)

監督:平山秀幸
出演:遠山真澄、米澤史織、熱田一、塚田純一郎、町田昇平、岡本綾、野村宏伸、佐藤正宏、町田耕平、杉山亜矢子etc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『ゴーストブック おばけずかん』公開を記念して午後のロードショーで『学校の怪談』をやっていた。『学校の怪談』といえば、幼少期によくテレビで放送されていた思い出がある。しかし、食事中になんとなく観ていただけだったので全編フルでは観たことがない。ということで早速観てみた。

『学校の怪談』あらすじ

いよいよ明日から夏休みという一学期の終業式の午後、2年生の美夏は絵の具を教室に忘れ、一人学校へ取りに戻った。美夏が道具箱を取って帰ろうとすると、サッカーボールがまるで美夏を誘うように旧校舎へと導いて行くのだった。その木造の旧校舎はすでに取り壊しが決定して立入禁止となっていて、しかもお化けが出ると噂されていた。美夏はそこの女子トイレで何者かに襲われてしまう。美夏の帰りが遅いのを心配した5年生の姉・亜樹は、彼女を探すためにやはり吸い寄せられるように旧校舎へと足を踏み込む。

映画.comより引用

仄暗い学校の教室から

ホラー映画とは、幽霊が放つ重力に人々が吸い寄せられ、恐怖の門が開けるものだ。『学校の怪談』における何も変哲もない日常描写。翳りひとつ見せない陽光差し込む世界描写で、既にホラー映画としてのレールは敷かれている。子どもたちが学校へ向かう。後ろ向きで歩きながらも確実に学校へと向かう。バイクに乗せられている子どもも母親のハンドルによって学校へと運ばれてくる。先生も爆速でチャリンコを走らせる。うっかり事故って通信簿をぶちまけても校舎へと入っていく。そして、校庭ではあれほど無軌道に動き回っていた子ども、大人がビシッと校長の方を向いて微動だにしない。この禍々しさは、段々と校舎の翳り、窓ガラスが少し割れている空間へカメラの眼差しが向けられることで広がりを魅せる。この見事までの導線に感激する。

そして、光から闇へと子どもたちを導き閉じ込める。そこで展開される妖怪ワールドは凝りに凝った美術でもってワクワクドキドキの代物となっている。

顕著なのは、上下逆さになった空間だ。天井から次々と机が落下してくる物騒さ。そして地面の蛍光灯に衝突して炎属性の攻撃に化けるアクションの連鎖は見事と言える。妖怪も、子ども向け映画とは思えぬ程の殺意が渦巻く。人体模型は、粘り気を持って子どもたちへ襲い掛かる。粘土により生み出される無数の手は、ゾンビのように子どもたちの動きを封じ込める。巨人は、顔が見えない恐怖のまま突き進み、袋の鼠になったところで覗き込む。


これらを踏まえると山崎貴監督の『ゴーストブック おばけずかん』は、『学校の怪談』におけるセットで演出されていた「狭くて広い」をVFXで表現しようとしていると言える。そして今回は大成功に終わったことがわかった。

※Filmarksより画像引用